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国際  投稿日:2016/6/9

ファンキー加藤W不倫と子供の運命(上)懸念される婚外子の立場

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岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」

2015年2月に長男(1)が誕生したばかりの、元FUNKY MONKY BAYBYSボーカル・ファンキー加藤(本名・加藤俊介、37)がダブル不倫をしていたことが報道され、今年は「不倫豊作年」だとの声が聞かれる。

だが、世間がバカ親たちの愚行を騒ぐ陰で、立場が悪くなる子供たちに関する報道や分析は少ない。特に不憫なのが、まもなく出生する際に加藤が認知はするが、自分の戸籍には入れない婚外子となる赤ちゃんだ。

加藤は2013年に自分の元マネジャーのM子さん(36)と結婚したが、長男が生まれる直前の2014年末から、自分の友人であるお笑いタレントのアンタッチャブル・柴田英嗣(40)の元妻で、2005年10月に柴田と「できちゃった婚」をしたN子さん(34)と関係を持っていた。

N子さんと柴田の間には、長男(10)と長女(8)の2人の子供がいる。柴田夫婦は、N子さんの申し出により2015年5月に離婚。加藤の「追っかけ」ファンであったN子さんはその後、加藤の子を身ごもり、今月出産予定だ。

ここで、4人の子供それぞれの立場やお互いの関係を考えてみよう。

加藤とN子さんの婚外子は、異母兄である長男とは違い、本物の父親がいつも不在の家庭で幼少期と思春期を過ごす。加藤が「正妻」M子さんとの家庭を守り、N子さんとは結婚しないからだ。加藤は自身の戸籍に入れない子について、「少しずつ」向き合うとして、感情的に距離を置いている。婚外子は実父の加藤に見捨てられたと感じながら育つ。「本当に自分は望まれて生まれたのか」という疑問だ。

柴田は、立場のない婚外子を代弁し、「認知はしてくれたけど、結果として一緒にならなかった。胸が痛んだし、飛びかかってやろうかと思った」と懐述する。

一方、その柴田とN子さんの長男・長女はすでに物心ついており、N子さんが彼らに事態をどう説明しようとも、「新しく家族に加わる赤ちゃんのせいで、お父さんとお母さんが離婚して、お父さんにいつも会えなくなった」と感じるかもしれない。

さらに、まだ若いN子さんは柴田との離婚が成立し、加藤との「できちゃった略奪婚」の望みもなくなった今、加藤から婚外子の養育費数千万円を受け取る一方、新しい相手を家庭に呼び込む可能性がある。そうなれば、婚外子が実父の加藤と生き別れ状態になり、離婚後も長男と長女の子育てにかかわっている非親権者の柴田が、自由に子供と会えなくなるかもしれない。

N子さんの3人の子供の身分や地位は、不安定だ。リアリティ番組の主人公「ビッグダディ」こと林下清志(51)の子供たちが、親の都合で引っ越しを重ね、片親がコロコロ変わり、兄弟姉妹が突然増え、振り回されたようなことにならないだろうか。

こうしたなか、加藤の長男は最も保護された立場にある。父親の不倫騒動はあったものの、元の家庭は壊れず、常に実の父母の下で養育されるからだ。N子さんの下で育つ異母弟あるいは異母妹から嫉妬されるかもしれない。だが、その婚外子が、相続で嫡出子たる自分と同等の法的扱いを受けることに、長男と「正妻」M子さんは憤慨するかもしれない。

こうしたなか、一番子供たちの力になれる当事者は誰か。柴田だ。彼は、「怒ってもめても、困るのは子供や家族」と述べ、N子さんが出産する婚外子を加藤と協力して養育していくと語っている。柴田はさらに、「運動会の親子参加の時に(加藤と)『どっちが行く』みたいなこともあるかも」とさえ言い切った。

元妻の不倫相手の子供さえ、自分の子供のように育てようと、柴田は決めている。加藤も、N子さんも、不倫の被害者であるM子さんも、自分の保身しか考えないなか、柴田だけが子供たち第一に考え抜いている。

柴田は以前、N子さんや長男・長女を裏切って浮気をしたこともあり、聖人などではない。だが今、4人の親たちのなかで、自らの利益追求や損得感情を抑えているのは、柴田だけだ。実父ではないが、このような大人を身近に持つ加藤の婚外子に、救いはまだある。

(「ファンキー加藤のW不倫と子供の運命」全2回。「(下)日米法における不倫の比較」につづく。)

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この記事を書いた人
岩田太郎在米ジャーナリスト

京都市出身の在米ジャーナリスト。米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の訓練を受ける。現在、米国の経済・司法・政治・社会を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』誌などの紙媒体に発表する一方、ウェブメディアにも進出中。研究者としての別の顔も持ち、ハワイの米イースト・ウェスト・センターで連邦奨学生として太平洋諸島研究学を学んだ後、オレゴン大学歴史学部博士課程修了。先住ハワイ人と日本人移民・二世の関係など、「何がネイティブなのか」を法律やメディアの切り口を使い、一次史料で読み解くプロジェクトに取り組んでいる。金融などあらゆる分野の翻訳も手掛ける。昭和38年生まれ。

岩田太郎

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