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.社会  投稿日:2013/10/2

[馬渡かずよ]妊娠に関する知識の習得度が先進国で最低レベルの日本


馬渡かずよ(編集者)執筆記事

 

妊娠に関する知識の習得度が先進国で最低レベルの日本。

今年3月、少子化危機突破タスクフォースが推進されたが、女性手帳が地雷となり、緊急に対策を打ち出すべき妊娠出産の知識啓発に関して“機動力”が発揮できていない現状にある。政府が手をこまねいている間にも、女性達の限りのある卵子は1日1000個のスピードで減少し、安全な妊娠出産の機会を刻一刻と失いつつある。この事実をどれだけの女性が知っているだろうか。

編者は、社会問題に発展した不妊増加の背景を探るため、昨年11月に日本不妊予防協会理事長・久保春海氏を訪ね、不妊症が回避できる病であること、加齢による卵子の老化について取材した。久保氏は、いずれ不妊治療は限界を迎え、治療医学から予防医学にシフトされる時代になると続けた。不妊症や婦人科疾患の回避策がありながらも、一般に周知されていない予防の知識。
日本は婦人科検診の受診率も先進国で最下位だ。
つまり、産婦人科と接触する機会をもたない女性は、学校や家庭教えられることのない卵子の老化による不妊を知らないまま年を重ねているのだ。

メディアにも責任がある。
芸能人の高齢出産を例に、アラフォーからの妊活で希望をもたせ、個人差が著しい生殖能力や卵子の劣化を無視して過信させてきた。不妊治療の初診平均年齢が39歳という年齢の高さが、卵子の老化を知らない女性の多さを実証している。
不妊治療をすれば高齢でも妊娠できる魔法の治療のように思っている錯覚と、不妊原因の半分が男性責任であることにも警鐘が必要だ。卵子の劣化は35歳から一気に加速する。

女性の初婚平均が30歳を超えた今、「結婚したら女性は子供を産むもの」という前提で少子化対策がなされていること自体が時代錯誤である。女性たちが自ら望んで晩婚、晩産を招いているわけではなく、そうならざるを得ない事情を背負いながら、いつかは産みたいと願っているのだ。

ならば、若いうちから自然に安心して産める身体に整えておくための備えの知恵を身に付けることが急がれるべきと取材を進めた。産婦人科名医による予防に関するインタビューをはじめ、古代から伝承されるアーユルヴェーダやアロマ、鍼灸などの代替医療による病気予防の知識を網羅した。知識は光。無知による感染症の蔓延、疾病の発症、不妊の悲劇を防ぎたい。
そんな想いで編んだ本書によって、多くの女性が子宮と向き合い、学校や家庭で語られるきっかけになることを願っている。

book001『予防知識で子宮ビューティー』

監修:久保春海(日本不妊予防協会理事長・渋谷橋レディースクリニック院長)

編集:ギャップ・ジャパン

価格:¥ 1,260 出版:ギャップ・ジャパン

ISBN-10: 4907237324/ISBN-13: 978-4907237325

発売:2013/9/30

 

【プロフィール】

馬渡_写真

馬渡かずよ

編集者、株式会社ギャップ・ジャパン出版開発部・チーフプランナー

1996年、角川書店入社。情報誌の編集を手掛けた後、フリーランスに。映画、レストラン、ジュエリーの専門ジャンルの取材・執筆を行う。現在は書籍編集者として、読み残される書籍の企画立案から取材編集までトータルで行っている。


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