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.社会  投稿日:2021/5/20

ワクチン接種者拡大のための規制緩和を(その1)【菅政権に問う】


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

【まとめ】
・ワクチン接種予約で混乱。五輪開催が厳しく。会場と注射の打ち手増を。

・ワクチン注射の打ち手増やすため、危機に応じた規制緩和が必要。

・実質は「医療緊急事態宣言」。政府と医師会は接種加速で挽回を。

ワクチン接種の予約受付においての混乱が全国に広がっている。チケットぴあでイベントの予約電話をするときにでさえ、あんなに回線が混雑するのだから、ネットや電話がつながらないのも当然だろう。地域や年齢で分けることなど、なぜに工夫ができなかったのか、緊急のことで対応が大変だったのはわかるが、非常に残念なところだ(もちろん工夫をしている自治体もたくさんある)。

さて、菅政権は、ワクチン接種の目標を1日100万回ペースの接種としている。希望する高齢者への7月末までの完了が可能と報告があったのは全国1700余の市区町村のうち6割弱の1000という見込みだとも、早期に前倒し可能との意見もある。

しかし、これでは遅い。他のスポーツが行われている状況を考えると、東京五輪の開催が厳しくなってしまう。このままのコロナワクチンの接種スケジュールでは大丈夫なのかと思ってしまう。

楽天の三木谷さんが「国立競技場は大量接種会場に」と素晴らしい提言をしているし、会場と注射をする医療従事者を増やすべきなのだ。

□ 規制緩和はできないのか?

そんな中、自治体では、現場を離れていた潜在看護師、研修医などの活用を進めているなど様々取り組んでいる。いろいろ苦労も多いだろうが、頑張ってもらいたい。

ただし、海外では、医師以外に、歯科医、理学療法士、医学生、整体師、作業療法士、放射線技師、薬剤師まで打てるようにしているところもあるみたいだ。アメリカでは(州によるが)、獣医師、看護学生、薬学生、救急隊員でも打てるらしい。

日本では、以下のような法的制約があり難しい面もあったが、厚生労働省がなんとか歯科医が接種を担ってもらえるように通知を出した。

【参考:法的制約】
□ 医師法:予防接種は医療行為
□ 保健士助産師看護士法:医師の指示に基づき補助できる規定
□ 歯科医師法:解釈上、口内麻酔は可能

しかし、もっとできないのだろうか?と思う。間に合わせることが最優先であるのに、なぜできないのだろうか???「特例」を出してでも・・・・と思うのは僕だけだろうか。

たしかに、注射行為は思わぬ副作用があるため、医療訴訟が頻繁におきるのも事実。しかし、これだけ日本医師会は「危機」を叫ぶのに、危機に応じた対応ができないとはどういうことなのだろうか。日本ではなぜ規制緩和しないのか?特例も出して薬剤師、薬学生、獣医師、看護学生、救急隊員もできないのだろうか? 

それぞれ数人に確認したところ・・・・・

■ 薬学生は大学院にもなると毎日のように研究室で動物に注射をしている、ただし、人に打った経験は一度もない。技術的に言えば、トレーニングをすれば薬剤師や薬学生にも可能

■ 皮下脂肪があるところに斜め45度から注射する皮下注射とは違い、コロナワクチンは筋肉注射なのでそれほど難しくない。刺す行為そのものは簡単。

ということのようだ。

【出典】厚労省HP

□ ワクチン接種に公平性?優先順位を明確に 

緊急事態宣言といっても、結局医療崩壊対策が進んでいないことが問題であって、実質は「医療緊急事態宣言」。この1年何も進まなかった。病床数を増やせなかったわけ。

しかし、イギリス変異株、インドの変異株は「相当ヤバい」と聞く。だからこそ、ワクチン接種のぺースを早めなければならないだろう。

政府と医師会、今からでも挽回するチャンスはある。菅政権に期待したい。特に、医師会会長も国民に危機をあおりつつ、誰かのパーティーなどに行く暇があったら、そうした企画・実行を進めてほしいものだ。

トップ写真:ワクチン接種(イメージ)
出典: Inside Creative House/getty images




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