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.国際  投稿日:2021/5/28

米、あの手この手でワクチン接種


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・アメリカのワクチン接種プロモーションが加速している。

・NY州では12~17才を対象に大学の奨学金が当たったり、5億円の宝くじまで。

・ワクチン接種スピードが落ちてきていることも背景に。

 

アメリカの新型コロナワクチン接種にかける意気込みのすごさには目を見張る。とにかく出来ることはなんでもやろうという姿勢なのだ。ワクチンの対象は既に若者に移りつつある。

ニューヨーク州のクオモ知事は、「Get a Shot to Make Your Future (ワクチンを接種して未来を切り開こう!)」というワクチン接種プロモーションプログラム開始を発表した。

5月27日から開始されるこのプログラムは、12才から17才を対象に、ワクチンを受けた人の中から抽選で毎週10名5週間、合計50名にニューヨーク州立大学またはニューヨーク市立大学またはカレッジへの全額奨学金(寮費や通学費など含む)を与えるもの。連邦COVID-19救済・アウトリーチ基金が使用される。

その他、アメリカでは以下のようなプロモーションが実施済み、もしくは実施中だ。

・ニューヨーク州は、5月24日から28日まで、「Vax and Scratch(ワクチン打ってスクラッチしよう!)」キャンペーン実施した。1等賞金500万ドル(約5億5千万円 1ドル=109.8円)の宝くじがもらえるもの。州内10カ所の特定の場所でワクチンの接種を受けた人が対象だ。

・完全にワクチン接種を受けた人は誰でも、ニューヨーク競馬協会のサラトガ競馬場への7月15日の初日入場料がただになる。

・マンハッタンにあるグランドセントラル駅とペン駅での7日間の無料メトロカード(地下乗車券)を配布した。(5月28日まで)ジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチン(1回接種タイプ)が無料で受けられる。

写真)グランドセントラルステーションに設けられたワクチン接種会場 7日フリーの地下鉄乗車券がもらえる 2021年5月
出典) Spencer Platt/Getty Images

・ニューヨーク市でのデブラシオ市長は、「ワクチンコンテスト」の開始を5月24日に宣言、7月までにワクチンを打つ人を対象に、シェイクシャックのハンバーガーのクーポンに始まり、コンサートやブロードウェーミュージカルチケット、バスケットボールゲームのチケット、スポーツクラブの無料会員権などがもらえる。

写真)NYマンハッタンのタイムズスクエアでブロードウェイで働く人達のためのワクチン接種センター開設式に臨むデブラシオ市長 
出典)Noam Galai/Getty Images

・ニュージャージー州環境保護局は、2021年7月4日までにワクチンを少なくとも1回接種したすべてのニュージャージー州住民に、「Vax and Visit(ワクチン打って公園に行こう!)」と題して、無料の州立公園ワクチンパスを提供するキャンペーンを開始した。2021年12月31日まで51の州立公園と森林施設すべてが対象だ。既にパスを購入している人には払い戻す。

・ラスベガスの有名ナイトクラブでは、臨時ワクチン接種会場を設置、ショーダンサーらがワクチンを接種すると共に、ワクチンを打った客は無料で入場出来るほか、フリーボトルや、接種済のダンサーが踊ってくれるサービスまでついてくると言う。

写真)ワクチンを打つ「SexxyAfter Dark by Jennifer Romas」ショーのキャストメンバーであるJoJo Hamnerさん。「ラリーフリントのハスラークラブ」に設営されたワクチン接種会場で。クラブはネバダ州南部保健地区と提携して、スタッフ、芸能人、常連客、一般の人々にワクチン接種を提供している。ネバダ州ラスベガス 2021年5月21日
出典)Ethan Miller/Getty Images

最新のCDCデータによると、18歳以上のアメリカ人の50%以上が既にワクチン接種を受けている。65歳以上だと、すでに人口のほぼ4分の3が完全にワクチン接種されているが、その数がここ数週間で横ばいになっていることも、こうしたプロモーションキャンペーンの背景にある。

あの手この手でワクチン接種を全国民に拡大しようとしているアメリカ。既に観光客やビジネス客にも無料でワクチンを接種しており、ワクチン供給が遅れている国からアメリカにワクチンを打ちに行く人も増えているという。

トップ写真)NY州立大学や市立大学の学生は次の学年度までにワクチンを接種する必要があると発表するニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ州知事、2021年5月10日
出典)Mary Altaffer-Pool/Getty Images




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト、産業能率大学客員教授。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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