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IT/メディア  投稿日:2014/6/7

<苦戦中のハフィントンポスト日本版が一周年>2年目のキーワード「対話」で閉塞を打開できるか


Japan In-Depth編集部

2005年に米国で立ち上げられたwebメディアHuffington Post(ハフィントンポスト)。その日本版が、朝日新聞と連携して開設されてから一周年を迎えた。

5月27日(火)に開催された「未来のつくりかた」と題された一周年記念イベントでは、一年間で最も反響のあった「女性の働き方」というテーマを通して、日本の未来に提言を与えた。 冒頭、ハフィントンポスト日本版編集主幹の長野智子氏は、

「日本版の目標は『あなたの言葉が未来をつくる』。既存のメディアは情報を発信するものだが、webメディアでは情報の発信はあくまでもスタートであり、そこから読者や専門家が意見交換をして、社会にフィードバックしていくもの。」

と語った。

image最初に登壇したのは、駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏。女性が勇気をもって行動し、参政権を得るなど社会を変えてきた日本の歴史を振り返るとともに、今後さらに女性が社会進出していくためには、企業や政府が援助していくべきだと語った。日本人女性にとって、心強いエールであった。

次に、(株)ワーク・ライフバランス代表取締役社長の小室淑恵氏と長野智子氏の対談。日本人の長時間労働が諸悪の根元だというプレゼンに会場は興味津津。実際に残業時間を減らして、業績が逆に伸びている会社の例を紹介した。

社員一人一人が余裕を持つことで新たなアイデアが生まれ、仕事が効率化していき、介護や子育ても夫婦で協力してできるようになった結果、生産性が上がる、とプレゼンした。

続いて「イクメン(育メン)」先進国のフィンランドとデンマークの男性を迎えてのディスカッションでは、家事を男性が日常的に行い、子供も夫婦が一緒に育てるという北欧の社会について紹介した。デンマークは、大学の学費が無料の上、奨学金ももらえるため、殆どの学生が一人暮らしを始め、家事を一通り身につける、と紹介された。日本政府が学ぶべきヒントがあるのではないだろうか。

最後のゲストはP&Gの女性執行役員である石谷桂子氏。石谷氏のキャリアの中には、子供を二人連れてアメリカで暮らした7年(夫は東京で留守番)や、逆に子供は東京の夫に任せ、週に4日間神戸で働く日々など、普通のOLにはちょっと無理そうな経験談も。外資ならではのダイバーシティへの理解があってのこと、とも思う。しかし、

「何か問題があるとき、それが理由でできないと考えるのではなく、どうしたらできるかを考えることが大切」

という石谷氏の言葉には共感した。

__-2女性の社会進出の必要性が声高に叫ばれてはいるものの、まだまだ欧米諸国に後れを取っている日本。女性一人一人の意識の改革も大切だが、やはり政府や企業、そしてパートナーのサポートがなくては難しいと感じた。

最後に、ハフィントンポスト日本版編集長の松浦茂樹氏は、月間1,000万ユニークユーザーを達成したのは「読者によって記事が拡散されたこと」による、と分析。今後もSNS等を通して情報を広めていく考えを示した。

代表取締役の西村陽一氏は、2年目のキーワードとして「対話」を挙げた。読者同士の対話、読者と有識者の対話、各国のハフィントンポスト同士の対話などを通じて、様々な議論を深め、社会にフィードバックしていくと述べた。具体的な対話の中身ついては踏み込まなかった。

 

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