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.社会  投稿日:2022/11/10

滝川クリステル財団”どくしょ犬プログラム”で子ども達に読書の楽しさを教えたい


 

Japan In-depth 編集部 樊 明軒

【まとめ】
・クリステル財団、読書犬の普及を目的とした新企画 “どくしょ犬って知ってる?”の発表会を開催。
・子どもが”どくしょ犬”に読み聞かせをすることで、自己肯定感が生まれるという。
・学校や図書館などの公共施設に導入する形で2023年に都内から始まり、漸次全国へ拡大していく予定。

日本のみならず世界各地で子どもの読書離れや活字離れが進んでいると言われて久しい。そんな中、「どくしょ犬」と名付けられたセラピー犬を子どもが読書に興味を持つきっかけにしようという新企画、「どくしょ犬って知ってる?」の発表会およびトークショーが10日、東京渋谷区で行われた。フリーアナウンサーの滝川クリステル氏が代表を務める「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル」が公益社団法人日本動物病院協会と共に主催した。

写真)一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル代表理事滝川氏
ⒸJapan In-depth編集部

子どもの活字離れの一番の原因は、読書に苦手意識を抱くことだという。”人前で声を出して読むのが恥ずかしい“、”読み間違えたらどうしよう“など、人からの評価を気にしてしまうからだ。

こうした子どもの読書に対する苦手意識を克服するため、子ども達が、「どくしょ犬」と呼ばれるセラピー犬に対して読み聞かせをする授業がアメリカやオーストラリアをはじめ、多くの国で行われている。

ワンちゃんに読み聞かせをしている時は、人からの評価を一切気にすることがない。読書に対する抵抗意識がなくなり、自己肯定感が生まれるのだそうだ

公益社団法人日本動物病院協会の理事を務める吉田尚子氏によれば、人間が犬と触れあうと、寛容性が増し攻撃性が抑えられるホルモンである、「オキシトシン」が放出される効果があるそうだ。どくしょ犬に読み聞かせをさせることで、子ども達はリラックスでき、結果として自信につながるのだという。

写真)(左:滝川クリステル氏、中央:SHIHO氏、右:山脇氏)
ⒸJapan In-depth編集部

トークセッションでは、2歳の子どもがいる滝川クリステル氏と11歳の子どもがいるファッションモデルのSHIHO氏が子育ての大変さについて語った。SHIHO氏のお子さんは毎日iPadに浸って、あまり母親と自分のことを話さなくなってきたという。今朝もiPadの使用のルールについてしつけをしたそうだ。

一方で滝川氏は毎朝、子どもの身支度が大変で、本人は “子どもと大人の時間感覚が違う“ことについて苦労しているという。時間に余裕がない大人の代わりに、家で飼っている犬が子どもの相手になってくれるのは非常にありがたい。今回のプロジェクトの話を聞いたSHIHO氏は、”家で飼っているワンちゃんをセラピー犬にしていけばいいんだ!”と話した。

写真)セラピー犬サニーに読み聞かせをする子ども
ⒸJapan In-depth編集部

KIDSコンシェルジュ山脇陽子氏は、子どもの多くがiPadやスマートフォンに長時間接触し、文字を見ただけで判断し、考えるプロセスを経ずに情報を受け流すのが当たり前になっている現状を指摘した。ことばを読み解く力の低下が著しい今日のデジタル社会において、読み聞かせを通してことばを受け取る、ことばを伝える力を養うことは極めて重要であると述べた。

また山脇氏は、読み聞かせにおすすめの絵本として『かいじゅうたちのいるところ』、『街どろぼう』、『パンやのくまさん』を紹介した。iPadにはない、希望を与えてくれる児童文学ならではの魅力をぜひ子供に体験してほしいとのことだ。

滝川氏によれば、今回の読書犬プログラムは、学校や図書館などの公共施設に導入する形で2023年に都内から始まり、漸次全国へ拡大していく予定だ。吃音障害のある子どもが話す事に対するコンプレックスを克服するきっかけや、より多くのこどもが本と触れ合うきっかけとなることを期待したいと滝川氏は述べた。

 

トップ写真)トークイベントの集合写真 東京都・渋谷区「代官山蔦屋書店」にて(中央:セラピー犬のサニー)ⒸJapan In-depth編集部




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