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.政治  投稿日:2026/10/18

簗和生農林水産大臣の辞任 堀田氏・宮嶋氏が見た高市首相の初動


          執筆者:安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト) 

【本稿のポイント】

・宮嶋巌氏は、多くの人が言うほど逆に進む首相の傾向が簗氏の件にも表れていると分析し、「ハードクラッシュ」の恐れを指摘した。

・堀田喬氏は、問題の発言が出た時点で国会が始まる前に切れば済む話だったのに、押し通したことが誤りだったと指摘した。

・堀田氏は、簗氏の問題よりも、国民が何に困っているかを国会で取り上げてほしいと訴えた。

簗和生農林水産大臣の辞任をめぐり、宮嶋巌氏は首相の「逆に行く」傾向を、堀田喬氏は問題発言が出た時点の初動の誤りを指摘した。10月17日配信のJapan In-depthチャンネル「G3(爺3)が高市政権を斬る!」での二人の発言から、簗氏の件をどう見たのかを整理する。

動画URL:2026年10月17日(土)14:00~「G3 (爺3) が 高市政権を斬る!」ゲスト:堀田喬氏(フォトジャーナリスト)、宮嶋巌氏(月刊FACTA編集長)

宮嶋巌氏は、簗氏の件に首相のどんな傾向を見たのか?

宮嶋氏は、首相は周囲が進言しても本人に聞く耳がないらしいと聞いており、そう思われてしまうのは残念だと語った(35分22秒〜)。ただ、人の言うことを聞かないのではなく、多くの人がそう言うと逆の方向へ行く傾向がある、というのが宮嶋氏の分析だ(36分11秒〜)。簗氏の件にも、その傾向が表れていると見ている。役人から聞いた話として、A案とB案があって皆がA案だと思っているときにあえてB案を持ってくる、A案を持ってくるとB案がいいと言い出す、と紹介した。無難ではないところへ行くのが高市流だという(35分57秒〜)。

宮嶋氏は、食料品の消費税1%の際にも同じ傾向があったと挙げ、1月の選挙の時期についても、誰もあの時期に、雪の降る時にやるとは言わないのに、自分で押し切った、と語った(36分54秒〜)。総理の器としては、人の話を聞いて、ある程度オーソドックスなところで抑えるべきだ、というのが宮嶋氏の見方である。そのうえで、このやり方は「ハードクラッシュ」を招くのではないかと懸念した(36分35秒〜)。

配信の終盤でも、宮嶋氏は同じ見方を繰り返した。食料品の消費税1%は本当に「ありえないような政策」だと思うが、世の中がやってはいけないと言うと、高市氏は逆走してやる、という(1時間53分50秒〜)。世の中が絶対にありえないと見る経済政策をあえて逆走するような発想には、クラッシュがあり得ると語っている(1時間54分35秒〜)。

初動はどこが問題だったのか?

堀田氏は、簗氏の発言が出た時点で、国会が始まる前に「レッドカード」で切れば済む話だったのに、その後で押し通したことが誤りだったと指摘した(41分3秒〜)。宮嶋氏も、簗氏はさっさと切ればよかったのであり、多くの人がそう思っていたはずだ、と語った(36分35秒〜)。攻められると、かえって押し通してしまうのが首相のやり方だという(36分54秒〜)。

宮嶋氏は、この問題はこれで終わりではないとも述べた。予算を半分にした話が実際にあったのかどうかは、国土交通省も説明するはずで、はっきりさせた方がいい、という指摘である(37分27秒〜)。簗氏は10月9日の会見で、減額を働きかけたことは「一切」ないと述べていた。

堀田喬氏は、簗氏の発言のどこがおかしいと見たのか?

堀田氏は、予算を持ってこられない政治家はだめだと述べたうえで、他の地域では予算を取ってきているのだから、それを言えばよいだけなのに、わざわざ減らしたと話したことを問題にした(39分28秒〜)。政治家は普通、この橋は自分が作った、この道は自分が作ったと言うものだ、とも語っている(39分48秒〜)。

堀田氏は、旧新潟3区を例に挙げた。消雪パイプが整備されて冬でも普通の車で通れたのに対し、隣の選挙区は道が悪かったという。道路がよくなれば住民は便利になり、時間も助かる、というのが堀田氏の見方だ(38分8秒〜)。地元の道路をよくしてきたのだから、予算を取ってきたことは堂々と言えばよい、という趣旨である(39分59秒〜)。

宮嶋氏は、減らすと言うのは異様で、増やすと言うのが当たり前だと語り、減らすのは敵を作ることだとして政治家としてのセンスを疑った(40分23秒〜)。自分に票が入らなかった地域を減らすというのはありえない、とも述べている(40分44秒〜)。

国会では何が問われるべきなのか?

堀田氏は、配信の最後に、簗氏の問題はどうでもいいと言い切った。それよりも、国民が何を最も望み、何に最も困っているのかを、国会で取り上げてほしいと訴えている(1時間54分59秒〜)。

本稿で扱ったのは配信の一部。宮嶋氏が首相の傾向を語った部分と、堀田氏が道路の話を語った場面は、動画で確かめてほしい。

動画URL:2026年10月17日(土)14:00~「G3 (爺3) が 高市政権を斬る!」ゲスト:堀田喬氏(フォトジャーナリスト)、宮嶋巌氏(月刊FACTA編集長)

◆番組で語られたそのほかの論点

・食料品の消費税1%、世論は本当に割れているのか(43分9秒〜)

・住宅ローン50年と結婚の遅れ、現役世代が抱える不安(44分47秒〜)

・維新の命運と同日選をめぐる見方(1時間47分42秒〜)

・国民民主党との距離をめぐるやり取り(1時間48分44秒〜)

【よくある質問(FAQ)】

  1. 簗和生氏はいつ辞表を提出しましたか?
  2. 2026年10月14日です。首相官邸の会見録によれば、高市首相は、首相から辞任を促したかと問われて「全くなかったですね。本日、辞表が出たので受け取ったということです」と答えています。
  3. 国務大臣は国会議員でなければなりませんか?
  4. 全員である必要はありません。日本国憲法第68条は、国務大臣の過半数が国会議員の中から選ばれなければならないと定めています。

関連リンク

・緒方林太郎氏「売る人が泣く」 食料品の消費税1%、仕入税額控除を問う(2026/10/9、安倍宏行)

 

トップ写真:フォトジャーナリスト堀田喬氏(左)、月刊FACTA編集長宮嶋巌氏(右)

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