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.国際  投稿日:2015/2/10

[大野元裕]【“悪意のロジック”に入るな】~イスラム国のテロに対抗するために~


Japan In-depthセミナー(2015年2月9日開催)

「イスラム国の脅威」~どうする?日本の中東外交~

大野元裕(参議院議員)

Japan In-depth 編集部

邦人2人を殺害したイスラム過激テロ集団、ISIL(イスラム国)に対し、安倍首相は、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせる。」と発言、対立姿勢をあらわにしている。

そうした中、2月9日に都内で行われたJapan In-depthセミナーで大野元裕参議院議員は、「ISILのロジックに入る必要はない。」と述べ、首相以下政府関係者は、ISIL(イスラム国)などのテロリスト集団に付け入る隙を与えるような発言を慎むべきとの考えを示した。

具体例として大野氏は、安倍首相が、1月17日にエジプトのカイロで行って演説の中で、「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(注1)と述べたことや、ISILが後藤さんと湯川さんの殺害予告動画を配信した直後、1月20日に行われた会見が、イスラエル国旗を飾った会場で行われたことなどを上げた。

その上で大野氏は、「悪意を持って敵対的に自分たちの相手に置こうとしている人たちにその材料を与えることはまずい。」と指摘し、「不用意な発言によって彼らのロジックの中にわざわざ我々は入っていく必要は毛頭ない。」と述べ、安倍総理の発言とその後の対応を批判した。

一方で、大野氏は、人道支援は続ける必要があると強調した上で、対ISIL掃討作戦については、トルコ政府が戦略的に重要なインジルリク空軍基地の使用許可を出していないことでISILに打撃を与えるような空爆が出来ていない点を指摘した。

大野氏は、「国際社会がどこまで一枚岩になって作戦目標を共有しながらやっていくかを考えていく必要がある。」と述べ、今後の有志連合の結束に期待感を示した。

(注1)安倍総理大臣の中東政策スピーチ

(中庸が最善:活力に満ち安定した中東へ 新たなページめくる日本とエジプト)2015年1月17日 於・日エジプト経済合同委員会 (外務省HPより)


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