香港選挙制度変更「強く非難」
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・「対中政策に関する国会議員連盟」が総会開催。
・香港選挙制度変更を「強く非難する」とした声明を採択。
・「人権侵害制裁法」の早期制定を政府に求めた。
3月11日に中国の全国人民代表大会で香港の選挙制度の変更が発表された事を受け、超党派の「対中政策に関する国会議員連盟(JPAC)」は16日、参議院議員会館で6回目となる総会を開いた。
総会には在日香港人グループ、有識者、外務省担当者、国会議員らが出席、香港の選挙制度変更を「強く非難する」とした声明を採択した。
また声明は、2月28日に民主活動家47人が国家安全維持法により起訴されたことに「強く抗議し、速やかな釈放を求める」とした。
その上で、JPACは
・人権侵害を理由とした法的制裁を可能にするための「人権侵害制裁法(日本版マグニツキ法)を早期に制定すること。
・香港市民に対し、入管行政を通じた保護を提供すること。
・国安法違反に関して中国政府及び香港当局との捜査共助拒否を明言すること。
などを政府に対し求めた。
▲写真 JPAC共同会長山尾志桜里衆議院議員 ⒸJapan In-depth編集部
出席した国会議員からは「日本国内で在日香港人に対する迫害や暴力などあってはならない」、「この要望を官邸にもっていかねばならない。超党派でやっていく」等の発言があった。
同日行われた、日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)では、中国の尖閣諸島周辺での活動を批判する文書をまとめた。海警局を準軍事組織に位置づける海警法には「深刻な懸念」を明記した。
菅義偉首相は16日夕、首相官邸で米国のブリンケン国務長官、オースティン国防長官と面会した。首相は4月前半にも訪米し、バイデン米大統領と初の首脳会談に臨む予定。
▲写真 アントニー・ブリンケン米国務長官(右)とロイド・オースティン(左)米国防長官による表敬を受ける菅首相 出典:首相官邸
バイデン政権の対中政策は、トランプ前政権ほど強硬ではないのではないか、との観測が多かったが、少なくとも今のところは米国がインド太平洋地域の安全保障の重要性を認識し、中国の動きに対し懸念を抱いていることだけは確かなようだ。
トップ写真:JPAC総会 共同会長中谷元衆議院議員(中央) ⒸJapan In-depth編集部
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。