[宮家邦彦]【韓国・反安倍プロパガンダで評判下落】~安倍首相、米議会で演説へ~
宮家邦彦(立命館大学 客員教授/外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(2015年4月20-26日)」
今週は安倍首相のバンドン会議60周年首脳会議出席と公式訪米という二大外交イベントがある。そこでの二つのスピーチ、特に米議会での演説の成功を祈りたい。韓国の一部勢力が再び反日ネガティブキャンペーンを始めた。これもちょっと気になる。韓国の反安倍プロパガンダはそろそろ賞味期限が切れ始めたようで、ワシントンでも決して評判は良くなかった。騒げば騒ぐほど逆に韓国の評判というか、クレディビリティが低下するということが、どうして彼らには判らないのだろう。
米国議会での演説は基本的には日米関係を語るためのものだ。この演説で第三国に細かく触れることの方がむしろ奇異ではなかろうか。ここら辺をよく勘案し、ワシントンでは是非とも格調高い演説を(勿論英語で)やってもらいたいものだ。
〇中東・アフリカ
中東ではイエメンが気になる。イエメンでの戦闘は実に複雑だから、実態は邦字紙を読んでも良く判らない。基本は前大統領と組んだシーア派・ホーシー勢力と現政権との戦いで、前者をイランが、後者をサウジが支援している。
問題は両者の戦闘の影でAQAP(アラビア半島のアルカーイダ)が着々と支配地域を拡大していることだ。これでは数年前のシリアと同じではないか。当時シリアでは既存の対立勢力が共倒れする中で新興ISILが台頭した。さればイエメンも半分手遅れなのかもしれない・・・。
〇アメリカ両大陸
20日から米国でTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ、Transatlantic Trade and Investment Partnership)の9回目の交渉が行われる。EUと米国は2013年から通商交渉を開始しているが、これはこれで農産物等問題は山積のようだ。
〇欧州・ロシア
欧州では国際会議が目白押しだが、23-24日に重要な式典がアルメニアの首都エレバンで開かれる。今年はアルメニア人虐殺百周年に当たるらしく、キプロス、ポーランド、フランス、ロシアの首脳が集まるという。トルコの反発は必至だろう
欧州ではオスマン帝国時代に少数民族アルメニア人が強制移住・虐殺などにより多数死亡したと考えられており、現在もオスマン帝国の後継であるトルコを非難する声が多い。これに対し、トルコ政府は計画性・組織性を認めていない。これもどこかで聞いたような話ではあるが・・・。
〇東アジア・大洋州
バンドン会議と安倍訪米がメインであり、それ以外に目立った動きはない。
〇インド亜大陸
今週は中国の国家主席がパキスタンとインドネシアを訪問する。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。