無料会員募集中
.政治  投稿日:2026/1/19

「中道」の定義と意味、そのポジションを占有するのはどの党か?【高市政権の課題④】



西村健 (NPO法人日本公共利益研究所代表)

 

【まとめ】

中道改革連合の出現により、リベラルVS保守の政界再編が始まり、二大政党化が進むと予想される。

中道改革連合」の「中道」は、人間尊重、人権、平和というところに立脚する。

・高市政権と「中道改革連合」を分ける争点は共生社会と中国外交。

 

実質、リベラルVS保守の「政界再編」の蓋が開いた?

【出典】筆者作成

 新党「中道改革連合」が出現した。比較的似通った政策を進めていた、価値観的に近い2党が合併して、これで理念や政策スタスと言う軸で分けると、すっきりした形になったといえる。上記図で見てもその近接性はわかるだろう。外交、経済的平等の2軸でみると重なることも多い。

 政権交代の競争、二大政党化の定着に向けて進んでいくことが予想される。

 しかし、「安保法制OK」「原発再稼働OK」といった立憲民主党のアイデンティティであった政策を捨てろ!と言えるほどの踏み絵が提示され、それに賛同した人が合流できるということは一定の批判を受けてしかるべきだろう。原口議員も反発しているが、党員にとっては裏切りにも感じられるし、約束である政策ってなんだったのだろう・・・と思う人もいるだろう。

 政治はそんなもんなので、総選挙、どの党も国民のためにしっかりと約束をして、責任の取り方を提示してもらいたい。

■中道って何?

 中道とは、極端を避け、偏りないバランスの取れた道・考え方のことである。政治学的意味においては、政策スタンスとリベラル・中道・保守という分け方においてのあくまで相対的な見方である。政党座標軸に真ん中を示した考え方といってもいい。

・右派的な価値観・左派的な価値観のどちらにも偏らない 
・既存の対立を超えてバランスの取れた政策を目指す

と言う方向性だ。

 野田佳彦さんは「どちらかというと大上段に構えて勇ましいことを言うような政治に対抗して、国民の暮らしに直結したことをコツコツと訴え、実現をしていくという、現実生活に根ざした、そういうところに中道の意味がある」「人道であるとか平和であるとか人権であるとかというところに力を入れている政党があると思います」と主張する。

 斎藤鉄夫さんは、「人間の幸せが第一という人間中心主義」と定義する「人間の生命、生活、生存を最大限尊重する考え方だと思います。また、分断と対立をエネルギーにする、そういう政治手法ではなく、いろいろな異なる意見を聞きそして合意形成を図っていく、粘り強い対話で合意形成を図っていくそういう政治手法」と考えていると明かした。

 右にも左にも偏らず、対立や分断を乗り越え、対話と合意形成を通じて解決策を見いだす姿勢とは、それって政治そのものなのだが、それはおいておいて、「中道改革連合」の「中道」は、人間尊重、人権、平和というところに立脚するということなのだろう。

■中道かどうかの評価軸

新党「中道改革連合」では、中道を「人間の尊厳」「平和」「分断を超える対話と合意」「生活に根ざした現実的改革」といった価値を重視する政治路線としている。「右派・左派の対立をあおらず、現実的で福祉・平和重視の政策を進める中庸・調整型の政治姿勢」という政治のあるべき姿を提示はしている。

しかし、価値観軸で見ると、実は、政治思想は様々なパターンがある。

【出典】筆者作成

 基本的な価値観で見ると、上記の図のような形で分かれてくる。日本の「リバータリアン」は思想家の渡瀬裕哉くらいで、浜田聡さんの日本自由党くらいしか存在しない。政策的には両党とも「リベラル」に近いと思うが、今回の意思決定プロセス、党員へのスタンスなどを見ると両党とも「権威主義」的な行為も含まれると言われてもしかるべきだろう。

■中道対決?

 中道改革連合は、大きく包み込む包摂主義、共生社会を目指していくというそう。ふわっとしているが、明らかに明確な価値観を提示してきた。中道と自ら名乗ることで、高市政権を「保守」と批判したいのだろう。たしかに、高市政権の外交スタンスは保守的である。しかし、自民党全体がとなると、どうもわからない。中道ともいえる人たちも多い。

 そうすると2大勢力を分ける争点は、結果的に、外国人問題をはじめとする共生社会、中国との外交関係が争点になるということだろう。

写真)中道改革連合YouTube番組の収録に臨む立憲民主党野田佳彦代表(左)と公明党斎藤鉄夫代表(右) 2026年1月18日 都内

出典)中道改革連合/X




この記事を書いた人
西村健人材育成コンサルタント/未来学者

経営コンサルタント/政策アナリスト/社会起業家


NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、株式会社ターンアラウンド研究所代表取締役社長。


慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて地方自治体の行財政改革、行政評価や人事評価の導入・運用、業務改善を支援。独立後、企業の組織改革、人的資本、人事評価、SDGs、新規事業企画の支援を進めている。


専門は、公共政策、人事評価やリーダーシップ、SDGs。

西村健

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."