国民民主党が働く世代になぜ信頼されるのか?!【「日本病」を治療する政策はこれだ!④】
西村健 (NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・国民民主党は「未来志向の積極財政」で生活・経済に寄り添い、他の政党を圧倒している。
・国民民主党は筆者が提起する「日本病」の「低所得」「低成長」改善に繋がる具体的な政策を提案している。
・国民民主党は年5兆円の「教育国債」を発行すること、高校までの教育費を完全無償化、奨学金の所得制限撤廃など教育への重点投資をし、新しいリベラルを体現。
政局より政策。国民民主党の独自スタンスはかなり多くの人の心をとらえています。もっと手取りをアップする、という若年層へのアピール、問題解決型の画期的な経済政策、理念や価値観に対してフェアな視点からのまっとうな外交姿勢、など、賛同と共感を呼ぶのも当然のことでしょう。
特に、経済政策が注目です。「未来志向の積極財政」と金融緩和で消費や投資を拡大、持続的に物価を上回る賃金アップ実現を提案しています。積極財政等と金融緩和による「高圧経済」を掲げています。また、ガソリン代値下げの実績をもとに、減税、社会保険料の軽減で国民の暮らしを楽にすることを重視しています。国民の生活・経済に寄り添っている面が他の政党を圧倒します。経済政策については、ビジネスの重要性を知っていることが伺えます。先端技術や重点分野を明らかにして、日本経済を強くする内容も分厚いものです。また、外交についても、国内の防衛生産・技術基盤を強化、スパイ防止法制定など他の中道・リベラル勢力と比較して、保守色を持っているのが特徴的です。
特に、党のトップがSNSを使って国民と対話して、説明責任を果たしていること、身近に感じられることが若者の心に訴えます。
◆日本病の問題解決度は?
「社会の医者」こと筆者西村健は、「日本病」として9つの問題を提示しています。経済の「日本病」と言われる、「低所得」「低成長」「低金利」の問題だけでなく、
政治面では、
・機能しない行政経営:(例)政策の見直し・マネジメントも不十分、定着しないEBPM、スリム化しない・DX化が進まない肥大する行政機関など
・既得権益過剰配慮:(例)政治に近い業界団体・利益団体の過剰な政策への影響力、旧態依然な産業構造、進まない規制改革など
・説明責任不足:(例)過去に「失敗した」政策・施策・事業の検証不足、事業の見直しが進まず財政悪化、予算の使い道の詳細が未公開など
社会面では、
・権威主義社会:(例)低い幸福度、仕事やりがいの低さ、低いモチベーション・エンゲージメント、高ストレス、組織の病理など
・戦後の社会モデルのまま:(例)少子高齢化に対応できない硬直した制度と拡大志向、新卒採用・長期雇用・年功序列、パートナーシップ型企業経営など
・説明責任不足:(例)不明確な政策の目的達成度、説得不十分の為政者の説明、追及が甘いメディア・ジャーナリズム、緩い公益通報保護など

画像)日本病、9つの特徴
出典)筆者作成
これらの問題解決度合いを考えていきます。
国民民主党はこの9つの問題の中で、特に
・低所得
・低成長
の2つについては改善できるだろうと思われます。日本病の問題解決としての評価は〇になります。
◆「問題解決型」の政策提案
日本病とその問題解決としての「政策」は以下のようにまとめられます。

出典)筆者作成
幅広い、
・所得税・住民税減税
・インボイス制度は廃止
・働く若者(中卒、高卒、高専卒)には所得税を減税
・ガソリン代・電気代・ガス代・水道代値下げ
といった手取りを増やす政策を提案しています。
特に、「住民税の控除額「110万円の壁」を178万円に引き上げ、「インフレ増税」の緩和」、「「年収の壁」の解消に向け、本質的な課題(働き方に中立的な社会保障制度への転換を踏まえた第3号被保険者制度の見直し、配偶者控除の見直し、配偶者手当の見直し、家庭内ケア労働支援、性別役割分業の見直し等)への対策」(国民民主党総選挙サイト)などは特に本質をついています。
また、「賃金上昇率が物価+2%に安定するまで消費税を一律5%に引き下げる」など専門的な観点から現実的な政策を進めています。社会保険料の負担を減らすため還付制度、賃上げする中小・零細企業の社会保険料を半減など社会保険料にも配慮をしています。
経済団体に対して理解は示してはいますが、言うことは言います。
「所得再分配機能回復の観点から、金融所得課税の強化を行います。高所得者層は金融資産から所得を得ている割合が多く、所得税負担率は1億円超から急激に下がっています。一般の家庭が少しでも余裕を実感できるようにする一方、富裕層には応分の負担を求め、そのお金を社会に還元します。」(国民民主党総選挙サイト)
「「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業等がビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。」(国民民主党総選挙サイト)
は秀逸です。
そのほか、防衛施設の周辺以外も対象にした「外国人土地取得規制法」制定、「空室税」を導入し、投資目的の不動産売買を抑制、するなど魅力的な政策が並びます。
国民民主党の支持が増えた理由に
・労働者の立場をもとに、中小企業経営者にも訴える内容
・公平さを指針にいうべきことは言う
・イデオロギー的な外交スタンスを取らない
と言う点があります。財源についても、外国為替特別会計の約180兆円、年金積立金の約280兆円、ETFの90兆円の合計約550兆円の資産運用益及び売却益活用などしっかりと根拠となる数字を積み上げています。政策についての誠実さが色濃く伺えます。多くの働く人たちから信頼されるゆえんでしょう。
◆ 中道と新しいリベラルを体現し、国民の期待に応える!
年5兆円の「教育国債」を発行すること、高校までの教育費を完全無償化、奨学金の所得制限撤廃など教育面での投資重視の姿勢が目立ちます。これはまさに戦後民主主義的な論点には強くコミットしていないという「新しいリベラル」層を体現しています。新しいリベラルは成長を志向する人たちへの政府の支援を支持するとともに、子供世代や孫世代の活躍のために、政府に対して子育て支援や教育の充実を求めているポジションのことです。
最後に、「手取りを増やす」ための政策実現は素晴らしいものですが、財源ねん出の可能性、「産業の成長に資する規制改革の推進」でどの層に我慢をしてもらうのかの説明はもっとあってもよかったかと思われます。そもそも日本経済を再生しないといけないのですが、経済低迷の原因を賃金デフレに帰する点は、分析が不十分な気がします。
政策で勝負する、政局ばかりで何も進まず、最大化した政治不信という問題を解きほぐし、政治の新しい地平線を切り開いた。国民民主党に期待したいです。
写真)国民民主党ホームページ ニュースリリース
出典)https://new-kokumin.jp/news/election/20260127_3
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この記事を書いた人
西村健人材育成コンサルタント/未来学者
経営コンサルタント/政策アナリスト/社会起業家
NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、株式会社ターンアラウンド研究所代表取締役社長。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて地方自治体の行財政改革、行政評価や人事評価の導入・運用、業務改善を支援。独立後、企業の組織改革、人的資本、人事評価、SDGs、新規事業企画の支援を進めている。
専門は、公共政策、人事評価やリーダーシップ、SDGs。












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