[細川珠生] 【憲法改正、2年先を努力目標に】~自民、憲法改正推進本部長に聞く 1~
「細川珠生のモーニングトーク」2015年5月2日放送
Japan In-depth 編集部(Aya)
自民党の憲法改正推進本部長であり、衆議院の憲法調査会で筆頭幹事を務める船田元氏を招き、憲法改正について聞いた。現行の憲法が作られてから68年。この憲法は戦後のアメリカ占領下でGHQによって短期間で作られた。「その憲法を、いま私たち日本人が国の憲法として持ち続けているのは問題だ」と細川氏は語る。船田氏は、細川氏の意見に同意した上で「戦後、68年定着してきたことも事実。戦後の日本を形づくるうえで一定の役割を果たした」と評価した。
だが、当時とはかなり状況が変わってきている。「冷戦中は、日本は日米安保条約によって守られ、我が国が自ら自分の国を守るということをそれほどシビアに考えなくてもよかった。」と船田氏。しかし、冷戦が終了し、北朝鮮や中国などの日本の周辺国が台頭し、自由に動くようになってきた。「このようなことを考えると、自分たちの力で自分たちの国を守ろうときちんと憲法に書き加えておく必要がある」と船田氏は述べ、「憲法改正に向けて勇気を持って作業や話し合いをしっかりやっていきたい」と強調した。
自民党は憲法改正を掲げて結党した。しかし、「池田内閣以降、国際情勢、政治勢力や経済優先となり、憲法を議論する雰囲気があまりなかった。」と細川氏は指摘する。近年ようやく動き出したのは、安倍内閣、特に安倍首相の憲法改正を実現しようという強い思い入れがあるからだろう。船田氏はそれを肯定した上で、「実際に憲法について議論する場所は立法府なので、安倍総理の気持ちを踏まえ、協議をしていく」と述べ、安倍首相の意向を踏まえながら、自民党として国会の中で憲法改正を進める姿勢をみせた。与野党を挙げて協議をし、国会全体で合意を形成していくことが必要不可欠だろう。
一方、改正原案を出す時期について船田氏は「来年夏の参院選が終わってすぐにということはないが、第一回目の憲法改正に持ち込むためには、あと二年位を努力目標にしている」と述べ、衆参両院に設置されている憲法審査会で、議題や議案を出しながら一つ一つ組み立てていく意向だ。
最終的には国会で2/3以上の賛成が必要であり、特に参議院では審議が長引くことが予想される。そもそも反対の議員がいる中で憲法改正に向けての話し合いをすることは大変だが、船田氏は「耐えながら地道にやるしかないと思っている」と述べた。
来週も同じテーマをさらに深く掘り下げて聞く。
(この回、5月9日放送の「 【目玉の九条は慎重に議論】~まずは『緊急事態条項』から~ 」に続く。全2回。http://japan-indepth.jp/?p=18631
この記事は、ラジオ日本 「細川珠生のモーニングトーク」2015年5月2日放送 の内容を要約したものです。)
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