[細川珠生]【平和安全法制、党派的な対立でなく深い議論必要】~維新、柿沢未途幹事長に聞く、参院での審議に注目~
「細川珠生のモーニングトーク」2015年7月18日放送
Japan In-depth 編集部(Aya)
維新の党幹事長の柿沢未途氏を迎え、衆議院で強行採決が行われた平和安全法制について聞いた。強行採決に至ったことについて、柿沢氏は「一言で言って、こんな無様な形で日本の安全保障の在り方を変える法案が可決していったことは、国会議員として、国民の方に対して恥ずかしい気持ちだ」と述べた。
与党の態度を批判するとともに、プラカードを持って反対していた野党側にも厳しい視線を投げかけ、「日本をいかにして守るかということについて、党派的な対立をヒートアップさせるのではなく、深い議論をして、国民の皆様からも理解を得るべきだ」と話した。
維新の党は、政府案を正すための独自案を出したが、5時間の審議で打ち切られてしまった。柿沢氏はこれを不満とし、「政府案を国会で追及すればするほど、あれもできる、これもできる、とぼろが出て、これ以上やると支持率が下がるから強行採決をしたと言われても仕方がない」と述べ、安倍政権のイメージダウンにつながっているとの考えを示した。
維新の党の独自案と、政府案の違いについて細川氏が質問すると、柿沢氏は、維新の党の案は憲法の範囲内であることを挙げた。審議の中で、政府案の考え方を一つ一つ質問して確認していった際、存立危機事態はどのような時に該当するのかを具体的に聞いた。すると、ホルムズ海峡での機雷掃海はできるという話になり、「何でもできるじゃないかという懸念がどんどん出てきた」と柿沢氏は指摘した。
憲法学者も憲法違反だという意見を出してきた。「憲法がある以上、その枠内に収める必要がある。やるべきことはやるが、憲法は守らなければならない。」と柿沢氏は強調した。
いよいよこれから参議院での審議が始まるが、いくつかの野党は一切審議に応じないという話もある。それに対し、細川氏は、「きちんと議論をすることによって国民の理解が深まっていくと思う」と遺憾であるとの考えを示した。
柿沢氏も、野党が日本の防衛に背を向けているかのように受け止められてしまうのは逆効果だとし、「アジア太平洋地域の安全保障環境の変化に応じて、日本が自らの国を守るためにやらなければいけないことはあると思う。」と前向きに審議を進める考えを示した。また、「安倍政権が無策であれば、先回りしてそれをやらなければいけない。」とも述べ、民主党と共同で、中国の日本の領土を脅かす行動についての対策法案を出したことなどを例に挙げた。
今後の参議院での審議について、柿沢氏は「環境を整えた上で審議をスタートする。」と述べ、すぐに審議を始めるのは難しいとの考えを示した。細川氏は、法案の成立を前向きに捉えているが、「(政府案に)問題点があるということを、国会審議を通して明らかにし、国民も一つ一つ学んでいく努力をするべきだ」と訴え、深い議論が行われた上で、法案が成立することを望んだ。
(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年7月18日放送 を要約したものです)
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