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.政治  投稿日:2016/1/21

[ひうち優子] 【住民の「安全」と「利便性」がカギ(上)】~特集「2016年を占う!」地方政治(東京世田谷区)~


ひうち優子(世田谷区議会議員)

2016年に向けて、東京都世田谷区では次の4つのテーマが重要になる。キーワードは区民の「安全」と「利便性」だ。どのテーマも、私が区議会議員1期目の時から、数年間継続して取り組んでいるもので、ようやく形になってきた。これらの課題の解決に向け、今年も取り組みを強化していかねばならない。(上)、(下)2回に渡って現状と課題を報告する。

(上)

1 自転車専用レーン・自転車ナビライン・自転車ナビマークの拡充

2 本のない、新たな形の図書館、「図書館カウンター」の拡充

(下)

3 地下式立体駐輪場の整備

4 地域Wi-Fiの整備

 

1 自転車専用レーン・自転車ナビライン・自転車ナビマークの拡充

自動車の安全対策について私は、9年間取り組んでいる。自転車の安全対策。

きっかけは、学生の頃、信号無視の自転車に3回も轢かれそうにになったことだ。当時、対策を取らないと重大事故が増える、と確信した。

しかし、9年前、当選後初めての議会で取り上げた時は、「自転車なんて取り上げて。」と、相手にもされなかった。

だが、たかが自転車、されど自転車。自転車も時として人を殺める道具になりうる。自転車の安全対策が必要であり、継続的に取り組むことが自治体として絶対に必要だ。。

具体的には以下の3点を挙げたい。

1 「自転車が歩行者ではなく、軽車両である。」という意識改革。そのために、事故再現型の自転車安全教室。スケアードストレイト方式(注1)を採用。

2 自転車は車両の一種なので、道路標識教育が必要。特に車の運転免許を持っていない人への標識教育が必須。

3

自転車専用レーン・ナビライン、自転車ナビマークの拡充。

 

こうしたのソフト・ハード両面からのアプローチが必要だ。

特に「自転車専用レーン・ナビライン、自転車ナビマークの整備」は重要で、自転車のためだけでなく、歩行者の安全、車のドライバーの安心にも繋がるものだ。

ただ、自転車専用レーンの整備は、やみくもに整備するのではなく、道路の幅員も考え、計画的な作り整備が必要である。ようやく平成27年3月に、世田谷区独自の自転車専用レーン・ナビライン等の計画「自転車ネットワーク計画」が策定された。その中で、10年間で約72キロの優先路線を決めた。

自転車専用レーンの整備計画の策定は自治体の中でも珍しく、大いに意義があると考える。

今後、この計画に基づき、着実に整備を進めていきたい。

また、これと同時に、大きな幹線道路への自転車専用レーン・ナビライン・自転車ナビマークの整備も必要だ。

平成27年に、都内で初めて、大きな幹線道路 246号線三軒茶屋~駒沢交差点間に、自転車ナビラインが整備された。

自転車・歩行者からは、安全になった、と評価の声もあるが、一方で、ナビライン内に駐車している車がよけようとして自転車が右側車線に飛び出してくる為、車と接触する可能性があり、危険との意見も出ている。

駐車禁止と自転車のルール・マナーの周知徹底を行った上で、今後は、246号線・甲州街道・環状7号線・8号線など、大きな幹線道路への自転車専用レーン・自転車ナビラインの整備が必要だ。

具体的には

①246号線の三軒茶屋~池尻大橋~渋谷方面

②246号線、駒沢~新町1丁目交差点

以上の2区間について、自転車ナビライン・ナビマークを延長すべきと考える。

 

2 本のない、新たな形の図書館、「図書館カウンター」の拡充

駅近くにあり、仕事帰りに立ち寄ることができる、本のない、予約のみの新しい形の図書館が好評だ。評。

以前から、働く世代の方々から、「仕事帰りに図書館を利用したいが、早く閉まってしまう。」という意見を多く頂いていた。それ以来、6年前から、表参道の駅ナカ事業のように、駅の近くに、貸出・返却・取り寄せ機能に特化した駅近図書館を提案してきた。

 

図書館配置については、下北沢や三軒茶屋、二子玉川といった駅周辺が、いわゆるエアポケット(図書館不便地域)となっている。大きな図書館を作らなくても、駅の中のちょっとしたスペースを利用して、夜遅くまで開館し、ICTを活用して、貸出・返却・取り寄せ機能と返却ボックスを置けば十分に機能すると、主張してきた。
そして、ようやく昨年4月に、図書館カウンターが二子玉川に。そして10月には、三軒茶屋がオープンした。

利用者の方からは、パソコンやスマートフォンで、本を15冊まで予約ができ、予約した本を図書館カウンターで取ることができ、大変便利。夜遅くまで開館しているので、利用しやすい、と好評だ。

図書館カウンター二子玉川は、新たな図書館登録者数が8月末までに2075名と多く、利用状況も夜の20時から21時までが一番多いということで、まさに図書館カウンターの狙いと合致している。

今後は、各駅に増やしていきたい。

現在、東急・田園都市線沿いに2つあるので、まずは、バランスよく京王線、小田急線、大井町線沿いに1つずつ設置すべきと考える。下北沢・等々力駅がバランス的によいのではないか。そして最終的には、各駅に設置を提案する予定だ。

【住民の「安全」と「利便性」がカギ(下)】~特集「2016年を占う!」地方政治(東京世田谷区)~ に続く)

(注1)スケアード ストレート方式:事故の恐怖を実際に目の前で再現し、その恐怖から、事故原因となりうる危険な行為を行わないよう指導する教育方式。自然と交通ルールを守る姿勢を身に着けさせる狙いがある。


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