横浜市長選2026はなぜ読めないのか 中谷一馬氏が語る構図
【本稿のポイント】
・横浜市長選は10月4日告示、18日投開票。山中竹春氏の退職の申し出に伴う選挙だ。
・中谷一馬氏は「21世紀以降、自民党が擁立した候補者が勝ったことがない」と構図を読む。
・IR誘致は撤回済みだが、手続きは次の市長が再開できると中谷氏は指摘した。
横浜市長選は、候補者の顔ぶれ以上に「構図が読めない」ことが特徴だ――。10月の市長選への立候補を表明した前衆議院議員の中谷一馬氏。前市長の総括から統合型リゾート(IR)、防災、2027年の国際園芸博覧会などについて語った。
本編動画:「横浜は変えられるか⁉️」中谷一馬氏(前衆議院議員)2026年9月15日配信
なぜ横浜市長選は「読めない選挙」なのか
中谷氏は、横浜には候補者が一本化されにくい土壌があるからだと説明する。「21世紀以降、自民党が擁立した候補者が市長選挙で勝ったことがない、多分珍しい地域なんじゃないか」。自民党から共産党まで改革の立場を取る政治家が多く、新自由クラブも神奈川から始まった。「常に新しいものを取り入れ、新たな挑戦をしていく土壌がある」からこそ、「候補者を一本化してというよりも、ご自身の思いが極めて強い方も多い」。それが選挙の構図を最後まで読ませない要因だ、というのが中谷氏の見立てである。
今回の選挙は、2026年8月28日に山中竹春氏から市会議長へ退職の申し出があったことを受けて行われる。市選挙管理委員会は、告示を10月4日、投開票を10月18日と決めた。
山中市政の何を評価し、何が足りなかったと見るのか
中谷氏は、子育て政策の実現を評価する一方、巨大組織を束ねるマネジメントに欠けがあったと見る。5年前のマニフェスト作成に関わった経緯を明かしたうえで、出産費用の負担ゼロや小児医療費の無償化が実現したことは「極めて大きかった」と語った。
他方で、370万を超える市民と約5万人の職員を抱える市役所を率いる能力が、これまでの経験の中で培われていなかったのではないかと指摘する。市長の言動をめぐる第三者による調査報告書は7月30日に公表された。2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)を控え、横浜が世界に存在感を示すべき時期に問題が表面化し、出直し選挙に市費を投じる事態を招いた影響は「極めて重たい」と評した。
同時に、ハラスメントは当事者間では解決が難しいとも述べた。第三者委員会による客観的な事実認定の体制を整えることが先で、市長自身も対象になる条例や規制の案を作りたい、と語った。
IR誘致は撤回済みなのに、なぜ条例で縛るのか
次の市長が手続きを再開できるからだ、というのが中谷氏の答えである。横浜市の統合型リゾート(IR)誘致はすでに中止され、市の公式ページにも「横浜におけるIRの中止に伴い」と記されている。それでも中谷氏は「市長が変わると、その方がもう一度手続きをしたいと思った時にできてしまう制度がたくさんある」と述べ、条例によって市民との約束を後任に引き継ぐ仕組みを作りたいと語った。
ただし一律の否定ではない。「カジノ抜きのIRなら、誘致していただいていい」と明言する。カジノに反対する理由は、負けた人の損失が財源になる構造と、恩恵を受けない周辺地域に社会的費用だけが残る点にある。「周辺自治体を含めてみんなを不幸にしながら、自分の街だけ豊かにするような行政は、私は全く好みません」。
横浜の「急所」はどこにあるのか
中谷氏が挙げたのは、財政と少子高齢化である。横浜市の推計人口は2026年9月1日現在で375万7388人。「福岡よりも名古屋よりも大阪よりも札幌よりも仙台よりも大きい町」と述べ、本社機能の誘致やインバウンド需要、そしてデジタル化とAI活用(中谷氏の言うDX・AX)による生産性の向上で「もっと豊かにできる」と主張した。
焦点の一つがGREEN×EXPO 2027だ。2027年3月19日から9月26日まで、旧上瀬谷通信施設で開かれる。番組配信時点で開幕まで185日。中谷氏はこれを郊外部の発展の起爆剤と位置づけ、交通アクセスの整備を「市長になったならば求められる大きな仕事の一つ」と語った。
勝機を問われると、「政治経験を、現時点で立候補を表明している方の中で持っている方は極めて限られている」と答えた。県議1期、衆院3期の経験がこの局面の横浜で役に立つ、という確信である。その具体策は、ぜひ本編で確かめてほしい。
「横浜は変えられるか⁉️」中谷一馬氏(前衆議院議員)2026年9月15日配信
◆番組で語られたそのほかの論点
・6分13秒〜 前市長の去就をめぐる見立て(本人は「エビデンスのある話ではない」と断ったうえでの見方)
・15分2秒〜 ハラスメントを組織の仕組みでどう解くか
・30分14秒〜 避難所の個室化と、個別避難計画のアプリ化
・37分51秒〜 DX・AXが一時的に「ダブルコスト」になる理由
・41分49秒〜 中卒から21歳で高校卒業 学び直しと教育政策
・43分55秒〜 みなとみらいと郊外部に残る開発余地
・49分14秒〜 GREEN×EXPO会場へのアクセス
・51分1秒〜 バス運転手不足と自動運転
・54分15秒〜 立候補者の構図をどう見るか
※このほか、メンバー限定の「本音解禁」コーナーがあります。
本編動画:「横浜は変えられるか⁉️」中谷一馬氏(前衆議院議員)2026年9月15日配信
【よくある質問(FAQ)】
Q.横浜市長選挙の投票はいつ、誰ができますか。
A.投票日は2026年10月18日午前7時〜午後8時。18歳以上(2008年10月19日までに生まれた方)で、引き続き3か月以上市内に住民票がある方が対象です。期日前投票は10月5日から17日まで行われます(横浜市選挙管理委員会)。
Q.GREEN×EXPO 2027の正式名称とテーマは何ですか。
A.正式名称は「2027年国際園芸博覧会」、テーマは「幸せを創る明日の風景」です(2027年国際園芸博覧会協会)。
関連リンク
・「中道改革」に未来はあるか!? 中道改革連合 中谷一馬氏初登壇(2026年2月17日配信)
トップ写真:中谷一馬氏 2026年9月15日
ⒸJapan In-depth編集部
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。












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