ゴーンと司法
.JID  投稿日:2014/11/30

[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【北朝鮮のサラミ戦術を逆手に取れ】~早すぎた制裁解除、甘すぎる日本政府~


2014年10月8日放送

Japan In-depth 編集部(Aya)

 

6月7日放送の本番組でお伝えした通り、北朝鮮は日本人拉致被害者と、拉致された疑いがある特定失踪者などすべての日本人に対する全面的な調査に応じると約束した。そして7月、「夏の終わりから秋の初め」に北朝鮮が1回目の報告を行うことで合意。しかし、9月18日、北朝鮮側から「現在はまだ調査は初期段階にある。現時点でこの段階を越えた説明を行うことはできない」と通知されたことが明らかになった。既に制裁解除は実行されているが、これ以上北朝鮮を信じてよいのか。北朝鮮問題の第一人者である朴斗鎮氏を再び招いて、この問題の展望についての見解をお聞きした。

7月に北朝鮮が特別対策委員会を立ち上げた時点で、日本は北朝鮮への制裁を一部解除したが、朴氏曰く、これが間違いだという。委員会の立ち上げとは、単なる名簿の作成であり、具体的な行動ではない。それを条件に制裁解除するのは、日本は甘すぎるといわれても仕方がない、と朴氏は批判した。

制裁解除の内容について具体的に見てみると、下記のような内容が挙げられる。

 

人的往来

北朝鮮当局職員の北朝鮮からの再入国禁止を解除、日本から北朝鮮への渡航自粛を解除、北朝鮮籍者の入国禁止を解除

 

送金・現金持ち出し規制

北朝鮮への現金持ち出し届け出義務を10万円超から100万円超に緩和、北朝鮮への送金の届け出義務を300万円超から3,000万円超に緩和

 

北朝鮮船籍の入港禁止

人道目的に限り許可するよう緩和(万景峰号などは入港禁止を継続)

 

朴氏は「人的往来に関する制裁は一番重要だ」と指摘する。この解除により、朝鮮総連の議長なども北朝鮮へ簡単に入国できるようになり、日本の情報も流れているはずだという。送金・現金持ち出し規制の解除に関しては、現在大きな影響を及ぼすものではないが、これが万景峰号の入港とセットになると問題を引き起こしかねないので、引き続き万景峰号の入港禁止措置は続けなければならない、と朴氏は指摘した。

そもそも、何故安倍政権は委員会の立ち上げを条件に、制裁を解除してしまったのか。安倍首相は、総理就任前は「北朝鮮に対して善意を出しても意味がない」と厳しい姿勢を見せていた。そんな安倍政権が制裁解除に踏み切ったからには、拉致問題の進展への確証を持っているのではという声もある。

朴氏は、これは北朝鮮の得意な「サラミ戦術(少しずつ条件をちらつかせて金銭などを少しずつとっていくことから)」だという。番組内のアンケートでも「北朝鮮を信用してよいと思うか」という質問に対して、YES15.5%、NO84.5%という結果となり、北朝鮮の要求を飲んで制裁を解除した安倍政権に対して、国民も厳しい目でみていることがわかった。

さらに北朝鮮は、日本政府の代表団を平壌に派遣することを要求し、安倍政権はそれにこたえることになった。番組放送時点ではまだ派遣は決まっていなかったが、朴氏は「平壌に代表団を派遣するとすれば、それを逆手に取って主導権を握ることが大切だ」と語った。北朝鮮に主導権を握られないように交渉することが、今後の交渉の進展に影響してくる。

安倍政権は、消費税増税、集団的自衛権問題、そして北朝鮮問題など様々な課題を抱えている。北朝鮮の思惑に乗らないためにも、「何名かの拉致被害者が帰国しないことには、これ以上の制裁解除はしない」という立場を貫き続けなければならない。安倍政権の対北朝鮮交渉が一段と難しい局面を迎えることは間違いない。

 

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