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.国際  投稿日:2015/10/27

日中韓首脳会談、間もなく~韓国側の理不尽な要求は突き放せ~


 宮家邦彦(立命館大学 客員教授/外交政策研究所代表)

「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(10月26日-11月1日)」

執筆記事プロフィールblogWeb

今週末にソウルで日中韓首脳会談が開かれる。焦点は安倍首相と朴大統領との初の日韓首脳会談だ。韓国側は11月2日開催を日本側に提案したと報じられた。日韓首脳会談が実現すれば約3年半ぶり。当然日本のメディアの関心は異常に高い。

でも、ちょっと待ってほしい。態度を軟化させるべきは韓国側であって日本ではない。韓国側が首脳会談開催の条件として理不尽な要求を出してくるなら、無理して会談する必要はない。この種の駆け引きでは「物欲しげ」になった方が負けなのだ。

先週と同様、今週も南シナ海でオバマ政権が中国の作った人工島周辺「領海・領空」内に米軍艦船・航空機を派遣するかどうかが気になる。米側は日中韓首脳会合の結果を見極めるだろうか。それとも機械的に派遣を強行するのだろうか。

米側が三カ国首脳会談の結果を見極めるオプションは外交的に十分あり得る。だが、艦船等派遣を中止すれば、オバマ政権の権威は更に地に落ちる。シリアでの軍事介入をめぐり米政府は右往左往したことがある。あれだけは繰り返してほしくない。

(編集部注:米海軍は日本時間27日午前、駆逐艦を南沙諸島の中国人工島から12カイリ内に入った)

 

○欧州・ロシア
アジア関係ではドイツ首相が29日から訪中する。メルケル首相は昨年7月6-8日にも訪中している。その7日には盧溝橋事件の77周年式典が開催されている。今回は経済問題が主だろうが、メルケル首相の言動には要注意だ。

〇東アジア・大洋州
26日から日本海で米韓合同演習がある。同日からインドネシア大統領が訪米する。更に、26日から29日まで中国共産党中央委員会のいわゆる「五中全会」が開かれる。金融改革や経済成長率などが議論され、第13次5カ年計画が策定されるという。

〇中東・アフリカ
10月30日からバハレーンのマナマでIISSの国際会議が開かれる。11月1日にはトルコで議会解散後の総選挙がある。トルコの総選挙はエルドアン政権の大きな賭けだが、結果はどう出るか。トルコの行方を占う意味で極めて興味深い。

〇アメリカ両大陸
米大統領選挙で民主党はクリントン候補に収斂していくのか。11時間にわたる米議会公聴会での彼女のパーフォーマンスは大したものだった。1996年のビルクリントンの女性スキャンダルも彼女のパーフォーマンスで乗り切ったことを思い出す。

〇インド亜大陸は特になし。

今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


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