自民、憲法改正とLGBT 自民党憲法改正推進本部長代理古屋圭司氏
「細川珠生のモーニングトーク」2016年5月7日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(Aya)
5月3日は憲法記念日。自民党憲法改正推進本部長代理の古屋圭司衆議院議員を招き、憲法改正について聞いた。
安倍政権にとって、憲法改正は大事なテーマだ。どのようなテーマで改正を進めていこうとしているのかと細川氏が問うと、古屋氏は、「憲法とは、それぞれの考えによってどこを変えるべきか大きく変わる。一本化することは無理。初めての改正なので、皆が納得できるところを変えることが必要だと思う。」と述べ、まず大きなイシューである9条に手をつけるよりも、国民が納得しやすい部分を改正し、今後の改正の道筋を作っていく考えを示した。
具体的には、「危機管理条項の新設から始めるのが、国民からの理解を得られやすいと思う。」と述べた。危機管理条項については、細川氏も「知れば知るほど国民も納得できるし、本来国民の望む条項ではないのか。」と同意を示した。
現行法では、5つの法律によって、緊急事態になったときに緊急措置や緊急政令を出すことができると示されているが、実際には一切発令されていない。何故なら憲法に「居住権の自由」、「財産権の自由」、「職業の自由」が謳われているため、それに反して実現するとなると、高いハードルがある。
「5つの法律で書いてあるところを憲法で裏打ちしていく。このことがまさしく立憲主義を守っていくことに繋がる。」と古屋氏は改正の意図について説明した。細川氏も「備えをきちんとしておくことが国民を守ることに繋がる。一刻も早くやってほしい。」と期待感を示した。
家族条項にも関心があると細川氏。自民党の草案にもこの点が含まれている。意外と知られていないが、自民党はLGBTの特命委員会を立ち上げ、古屋氏が委員長を務めている。日本では、人口の約3%がLGBTであるとされている。
保守政党には相談の窓口がなかったため、左派系の組織が駆け込み寺になってきた。左派政党は、将来的には同性婚を認めようとしているが、「結婚は両性の合意に基づいてのみ成立する。」と憲法に規定されていおり、同性婚は憲法違反だ。左派は拡大解釈をしようとしているが、これでは立憲主義に反する。
古屋氏は、「保守政党として、多様な考えを容認していく社会が必要。」と自らの立場を示し、「(LGBTを)カムアウトしなくてもいい社会。容認してあげる社会。」を目指していると述べた。
異性愛を原則として守り、しかしそうでない人たちも共存できる社会を作るため、理念法を作って行こうというのが保守政党としての自民党の立場である。これについては、既に4月27日に特命委員会で発表し、国民にもアピールしていることを古屋氏は説明した。
日本国家にとって、憲法が大原則であり、そこから法律が決められていく。「今の憲法だと守りづらい部分がある。それを改めることによって、今の国民生活に必要な条項を入れていくことが重要。」と細川氏は述べ、憲法改正の動きに期待を示した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2016年5月7日放送 の要約です)
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。