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.政治  投稿日:2026/2/7

参政党が開く新たな民主主義?!【「日本病」を治療する政策はこれだ!⑦】


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

【まとめ】

・「この国に生まれてよかった」と感じられる社会を目指し、保守政党でありながら教育・子育てなど「新しいリベラル」政策を重視。

・筆者提唱の「日本病」のうち3点の改善に貢献すると評価。消費税廃止や金融所得課税強化など、公平性を重視し強者に厳しい政策を提案。

・党員によるグラスルーツ政党として、日本の権威主義的組織に風穴を開け、オープンな政党へ自己改革する可能性に期待。

 

「この国に生まれてきてよかった」と、国民の一人ひとりが実感できる社会を作るという理念の下、参政党は党員自らの知恵と想いを結集し、日本の目指すべき姿を具現化する政策を提示してきました。

 

前回の「日本人ファースト」は様々な思惑を生みましたが、人々の気持ちをうまく吸い上げ、世論を刺激し、政策として提案し、タブー化されていた政策が一歩進むことになりました。筆者も「民主主義を体現した」政党とその意味を評価しました(参考記事)。

 

「保守政党」ではありますが、教育・子育てという「新しいリベラル」と呼ばれる政策を入れ込み、「経済格差が教育格差を生む負の連鎖を断ち切り、質の高い教育をより多くの若者に提供することが急務」としています。

 

神谷さんがyoutuberのKAZUYAさんやアナリストの渡瀬裕哉さんと共に、はじめた「「政党DIY」から7年。神谷さんが吹田市議の時から関係があり、渡瀬さんと同僚の筆者は「まさかこんなになるとは」と当時思ってもみませんでした。それが自力で努力し、国民政党を作り上げました。その業績に敬意を示しつつ、日本病解決にどれくらい貢献するのかを見ていきましょう。

 

◆ 日本病の問題解決度は?

 

「社会の医者」こと筆者西村健は、「日本病」として9つの問題を提示しています。経済の「日本病」と言われる、「低所得」「低成長」「低金利」の問題だけでなく、

政治面では、

・機能しない行政経営:(例)政策の見直し・マネジメントも不十分、定着しないEBPM、スリム化しない・DX化が進まない肥大する行政機関など

・既得権益過剰配慮:(例)政治に近い業界団体・利益団体の過剰な政策への影響力、旧態依然な産業構造、進まない規制改革など

・説明責任不足:(例)過去に「失敗した」政策・施策・事業の検証不足、事業の見直しが進まず財政悪化、予算の使い道の詳細が未公開など

 

社会面では、

・権威主義社会:(例)低い幸福度、仕事やりがいの低さ、低いモチベーション・エンゲージメント、高ストレス、組織の病理など

・戦後の社会モデルのまま:(例)少子高齢化に対応できない硬直した制度と拡大志向、新卒採用・長期雇用・年功序列、パートナーシップ型企業経営など

・説明責任不足:(例)不明確な政策の目的達成度、説得不十分の為政者の説明、追及が甘いメディア・ジャーナリズム、緩い公益通報保護など

【出典】日本病、9つの特徴、筆者作成

 

これらの問題解決度合いを考えていきます。

参政党はこの9つの問題の中で、

 

【問題】

・低所得

・既得権益過剰配慮

・戦後モデルのまま

については改善できるだろうと思われます。日本病の問題解決としての評価は〇になります。

 

◆ 問題解決の政策提案

 

日本病とその問題解決としての「政策」は以下のようにまとめられます。

【出典】筆者作成

 

もちろん「外国からの影響を制限するため、帰化及び永住権の要件の厳格化を行う」といった保守的な政策を打ち出してはいますが、注目すべきことはそこではありません。

 

第一に、「消費税の段階的廃止を進め、国民負担を直接軽減。国民負担率を35%以内に収める」ということからも、減税をすることで、政府の無駄を削減することを企図しています。税制をシンプルに、政府をスリムにして効率化をするという行政経営の思想を共有されていることがわかります。

 

第二に、「投機による金融所得の税率引き上げと累進化」など公平性を重視する姿勢も見せています。特に、大企業・富裕層優遇の税制をあらため、応分で公正な負担を求めること、企業に、賃金格差是正の計画策定と公表を義務づけ、政府がそれを監督・奨励する仕組みを作ることなど、大企業に対してきわめて厳しい、強者への厳しさ、そして背景にある信念が特徴です。

 

◆ 権威主義体制から自己改革できるのか?

 

政策の整合性についても、組織内部での凝集性などについても参政党には色々と外部から言われていますが、政党とはそのようなものです。政策を純化させると、組織としての凝集力の低下に直結します。他方、政策面で曖昧さを増せば、差別化がうまくいきません。そんなジレンマを抱えるのが政党と言うものです。

 

ただし、参政党は党員が現場から作り上げたグラスルーツの政党です。そのモデルは、自由民権運動以来、日本政治史においても意味があります。多くの党員が「このままの日本では」という問題意識にあふれて政治に参画しています。そうした情熱と思いを共有する、相互に学びあう、欧州の政党のようなワークショップや勉強会も開催しています。その意味で日本の権威主義的組織に風穴を開ける可能性があります。オープンかつ内部にも優しい政党へ脱皮できるか、期待したいところです。

写真)参政党神谷宗弊代表

出典)参政党X @sansei411




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