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.政治  投稿日:2015/8/3

[細川珠生]【今こそ、安全保障を真剣に考える時】~日本を取り巻く情勢を直視し、感情論に流されない議論を~


2015年8月1日放送「細川珠生のモーニングトーク」

細川珠生(政治ジャーナリスト)|執筆記事 | プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

安倍編集長が細川珠生氏に話を聞く回、2回目。延長国会まっただ中。安保関連法案が参議院に舞台を移し、審議が始まった。安倍首相も国民の理解が進んでいないと認める平和安全法案。「どのように理解をしていくべきなのか」をメインテーマに、直近の政治について聞いた。

衆議院では強行採決となった平和安全法案だが、参議院では比較的時間をとることができる。安倍首相も積極的にメディアに出て、自らの言葉で説明をしている。一方で、国会周辺では大規模なデモが繰り広げられている。国民の理解が進まない原因はどこにあるのか。

細川氏は、「今まで、国防とか安全保障に関する国民の意識は全くないに等しかった。」と国民の意識に原因があるとの考えを示した。日本人の多くは、日本が平和憲法を持つ平和国家だからこそ、今まで戦争に巻き込まれず、平和を保ってきたと考えている。しかし、実際は「アメリカが日本に駐留して防衛を助けてくれているが、そのことも日本人は意識していない。」と細川氏は述べ、国民の意識の低さを指摘した。

安倍編集長は、「今回の野党側の質問を聞いていると、呼び名を戦争法案にしてみたり、徴兵制の問題を出したり、あたかも今回の法改正で日本が戦争に突き進むという論調にしている。これはいかがなものか。」と、野党の国会論争の手法に苦言を呈した。細川氏も「この法案は戦争に巻き込まれないための法律。日本を守るための法律でもある。」と述べた。

国防に無頓着な国民性は、海外からも見透かされてきた。その一例が、中国だ。日本近海でガス田の開発を進めていることを、安倍首相も写真を見せて説明した。細川氏は、「日本は防衛力がないから、何を言っても怒らない。力で訴えられないから、相手は隙を縫ってガス田を作ったりする。北朝鮮の拉致も30年以上解決できていない。これらを見ても、自国を守るためにどういった体制が必要なのかを考えるべき。」と述べ、集団的自衛権の重要性を強調した。

ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土を訪問するという動きがある。北方領土は、70年前、終戦間際に日ソ不可侵条約を破ってソ連が侵攻し、島民を追いだしてしまった。安倍編集長はこれに対し、「軍事インフラを強化しようという動きで、日本から見れば脅威。一方で、プーチンが日本に来るという話もある。これは硬軟入り混じった狡猾な外交。そういう国に囲まれているという自覚に乏しい。」と述べた。

これに対し細川氏も、「諸外国は色々な外交戦略を持っている。友好的に見せかけて、強硬姿勢をとる等、中国も韓国も外交戦略は国益を重視してやっている。一方で、日本は平和、友好を重視し、それが外交交渉だと思っている。そこに日本の姿勢の欠陥があると思っている」と述べた。

また安倍編集長が「安保法制を通しておくことが外交的な抑止力になる」と述べると、細川氏も、「日本の選択として、徴兵をやるとかそういうことではなく、アメリカとの同盟を強化する。そして、同じような考えを持っている諸国と手を組むことが、日本人を守る唯一の道だ」と語った。そんな中、安倍内閣の支持率が下がっている。「安保法制に関して、与野党のどちらが正しいのかを精査して、感情論に流されないで見てほしい」と二人は同調した。

最後に、支持率が下がっていることの一因である新国立競技場の問題について、莫大な整備費をどうカットするのか、落としどころを早急に見つけることが大事だとの意見で二人は一致、最後に、安倍編集長は、「夏休みなので、家族でこういう問題を話し合ういいチャンス。」と視聴者に呼びかけ、締めくくった。

(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年8月1日放送 を要約したものです)

 

「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

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