[宮家邦彦]【露、シリアへの軍事介入のタイミングは?】~国連での米ロ首脳会談に注目~
宮家邦彦(立命館大学 客員教授/外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(9月28日-10月4日)」
更に、先週末にはイラク正規軍が「イスラム国」と戦うためロシア、シリア、イランを加えた4カ国で情報共有を進めると発表している。ロシアがシリアだけでなくイラクでも活動を活発化させていることは注目に値する。やはり歴史は繰り返すのだろうか。
筆者がバグダッドに赴任した1980年代初頭、イラク軍の兵器はほぼ100%ソ連(ロシア)製だった。ソ連製ミグでイラク空軍パイロットを訓練していた東ドイツ空軍パイロットが「イラク人パイロットはGに耐えられず、やたら脱出レバーを引きたがる」と嘆いていたことを思い出す。
〇欧州・ロシア
10月4日、英首相が英国のEU加盟につき国民投票を行う期日を発表するかもしれないという。欧州各国のナショナリズムがどの程度高まっていくのかを占う上でこの投票結果は見逃せない。要注意だ。
〇東アジア・大洋州
28日NYでは日露首脳会談も開かれる。米国国賓訪問後の中国国家主席は同じく28日NYで国連総会演説を行う。29日には日韓と日米韓外相会談、30日にはTPP閣僚会議がそれぞれ開かれる。今週のNYは非常に忙しそうだ。
〇中東・アフリカ
今週NYにはイラン大統領、パキスタン大統領など中東の要人も集まる。29日には米大統領が「イスラム国と戦う諸国」首脳会議を主催する。30日にはレバノン議会で大統領選びが再開される。あれ、まだ決まっていなかったのかい?
〇アメリカ両大陸
先週米国メディアでローマ法王のニュースが中国国家主席のニュースを圧倒していた頃、米共和党のベイナー下院議長が議長辞任と政界引退を突然発表した。オバマ政権に弱腰とのティーパーティからの辞任圧力に抗しきれなかったのか。それにしても共和党は一体どこへ行くのだろう?
〇インド亜大陸
28日にNYで米印首脳会談が開かれる。10月4日からはドイツ首相が訪印を開始する。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。