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.政治  投稿日:2014/12/1

[山田厚俊]【神奈川18区、野党足の引張り合い】~維新の党、地方議員の離反続く~


山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」

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神奈川で維新の党の地方議員の離反が続いている。衆院選で次世代の党との競合区が出ていることから、不満が爆発した格好だ。

その象徴的なところが、神奈川18区だ。18区は川崎市高津・宮前区と中原区の一部を加えた選挙区で、次世代は前職の中田宏氏が出馬を表明。維新は25日、新人の北村造氏の公認を発表した。それに反発した維新の県議2人が、中田氏を支援するとして1人は離党届を提出した。

青柳陽一郎県総支部代表は「党本部の方針として、次世代とは候補者調整をしない」と説明した上で、「18区で挑戦したいという候補がいる以上、積極的に擁立するのが選挙戦の鉄則」だと話している。

ところが、地元政界関係者は声を潜めてこう語る。

「維新と次世代は元々、同じ政党だった。次世代が擁立する選挙区には維新は候補者を立てないはずだった」

それがなぜ、乱立模様となったのか。前出の関係者は「江田憲司・維新の会共同代表の“個人的な感情”によるもの」だと言う。どういうことか。

「18区に隣接する8区(横浜市緑区、青葉区)で2000年の衆院選で、無所属の会の中田氏と自民党公認の江田氏が戦い、中田氏が勝った。エリートの江田氏が初めて敗北を喫した相手が中田氏だったのです。その怨念が今なおあり、中田氏の比例復活も許さないとばかりに急きょ、擁立を決めたと聞いています」(前出の関係者)

18区は、次世代、維新のほか、自民党は前職の山際大志郎氏、共産党は新人・塩田儀夫氏、生活の党は元職・樋高剛氏が立候補を予定。実に5人の乱立となりそうだ。結局このような乱立が、有権者からは野党の足の引っ張り合いと見られる可能性が高い。私怨がウワサされるようでは、野党の勝ち目はないと言っていいだろう。

 

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