[山田厚俊]【反省ゼロの民主党、再生へ茨の道】~残念すぎる「ゾンビ復活」~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「菅さん、受かっちゃったじゃん。だから、民主党はダメなんだよ」
衆院選投開票日翌日の12月15日、泊まり明けで疲れ果てて帰宅した際、妻が開口一番ぼくに言った言葉だ。
改めて言うまでもなく「菅さん」とは、民主党の菅直人元首相のこと。東京18区で土屋正忠氏に小選挙区で敗れたものの、比例復活で当選した。
東京選挙区の比例の“最後のイス”を惜敗率で手繰り寄せた格好だ。ネット上では「ゾンビ復活」などと呼ばれている。
菅氏は、2010年から“小沢排除”に動いて一気に首相の座を射止め、参院選で唐突に消費増税を言い出し、挙句の果てに3・11後の対応で総スカンを食い、民主党を奈落の底に落とした戦犯中の戦犯と名指しされてきたご仁。いわゆる“戦犯6人衆”の筆頭である。
百歩譲って、党の方針として公認するのは「アリ」だろう(ぼく個人は「ナシ」ですが…)。しかし、野田佳彦元首相とともに、首相経験者は比例重複で立候補するのは食い止めなければ、民主党の再生、または信任は得られないのは自明の理だったはず。実は、公示前から疑問視されていた問題だった。しかし、無策の民主党は彼らに簡単に重複立候補を許してしまった。
だから、民主党は非自民の受け皿になり得なかった。有権者からすれば、「何も反省していない」「2年まえから何も変わってはいない」と見えた。だから、共産党が大幅に議席を伸ばし、維新の党が意外にも関東などでも健闘したといっていいのだろう。
反省し、立て直すー。口で言うのは簡単だが、冷めた有権者にその姿勢を見せない限り、党の再建など夢のまた夢。海江田万里代表が落選し、辞任したことで年明けに代表選が行われるが、“政権の旨味”だけ覚えてしがみつく輩がいる限り、表紙を変えても生まれ変わることは難しいのではないだろうか。
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