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.JID  投稿日:2015/1/26

[Japan In-depth編集部]【武将隊という新たな観光資源が今熱い!】~地方の豊かな歴史・文化を発信するサムライ達~


Japan In-depth 編集部 (Ayana)

「戦国時代にタイムスリップしたのか?」一瞬、そんな錯覚に眩暈がした。それくらいものすごい熱気に包まれ、第参回全国武将隊天下一決定戦なるイベントが、1月24日東京・新宿文化センターにて行われた。ところで、「武将隊」とは一体どのような集団なのだろう?

発祥の地は名古屋である。2009年に結成された、「名古屋おもてなし武将隊」がその起源。名古屋市の情報発信強化と観光客呼び込みを目的としたものだ。その後、全国各地にも様々な「武将隊」が結成された。豊かな歴史的文化を持つ「地元」をPRし、「おもてなし」の精神で、観光客にふるさとの素晴らしさを伝える、といった使命が広く共感を呼んだのだ。

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今回は予選を勝ち抜いた5組の武将隊が、技術、美しさ、力強さ、歴史的観点、エンターテイメント性などを競い、パフォーマンスを行った。各武将隊はそれぞれ熱狂的な援軍を率いており、参加者は1300人を超えた。

選ばれた5組は独自性溢れたパフォーマンスで会場を熱狂の渦に巻き込んだ。まずは「奥州・仙台おもてなし集団 伊達政宗武将隊」により戦いの火蓋が切って落とされた。未曾有の震災により傷ついた東北の人々の気持ちを癒したい、という強い思いが詰まった、力強いパフォーマンスは見る者の心をも動かした。

来場者参加型のパフォーマンスが会場を沸かせた岡崎の「グレート家康公『葵』武将隊」、さらに民のために平和を築こうと苦闘する2人の武将の格闘と未来への希望を地元のPRに見事重ね合わせた「熊本城おもてなし武将隊」と続いた。

そして一際大きな歓声を集めたのは過去2回の大会覇者、「名古屋おもてなし武将隊」である。平成の民に“元気と勇気”を届けるために織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、前田利家、加藤清正といった豪華な武将たちが行うパフォーマンスは技術、美しさ、力強さ、歴史的観点、エンターテイメント性のどれを取っても天下一品を思わせる作品であった。

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本決勝戦のトリを飾ったのは行田の「忍城おもてなし甲冑隊」で会場の笑いを勝ち取った。各隊はパフォーマンス終了後、疲れているにもかかわらず、会場内の援軍=ファンに応援に対する感謝を述べ、各地域のPRを熱心に行っていた。彼らの地元に対する愛はまさしく天下統一を目指した戦国武将のそれそのものだった。

本決勝戦の覇者は再び「名古屋おもてなし武将隊」となり、前人未到の3連覇を達成した。のちの優勝インタビューにおいてリーダーである信長公は「武将隊の皆で日々語り合い、回を重ねるごとにより良いものができるよう努めている」と述べた。また、大会4連覇に向けて「かつて名古屋を生きた武将たちが東京や大阪の基盤をつくり日本を活性化したように、これからも名古屋から日本を元気にしていく立役者でいたい」と熱い意気込みを語った。

昨年の日本への外国人旅行客総数は過去最高の1,300万人を記録した。今年はさらに増えて1,500万人は突破しよう。「武将隊」は、日本の新しい観光資源として、地方に彼らを呼び込む強力なコンテンツになりうるのではないか?
各武将隊が連携を取り、全国武将隊巡りなどを企画したら大いに受けるかもしれない。地方創生の為の妙案がなかなか生まれない中、「武将隊」は案外、“瓢箪から駒”、大いなる可能性を秘めているのではないだろうか。


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