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IT/メディア  投稿日:2015/5/23

[安倍宏行]【ルール違反?フジ「グッディ!」説明責任果たせ】~萩原流行さん妻会見中継問題~


 

安倍宏行(Japan In-depth 編集長/ジャーナリスト)

「編集長の眼」

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4月22日にバイクで事故死した俳優・萩原流行さんの妻・まゆ美さんが5月22日、東京・千代田区の弁護士会館で会見を行った際、フジテレビ系の情報番組「直撃LIVEグッディ!」(月~金曜、午後1時55分~)が会見の模様を生中継し、代理人である弁護士から注意を受けて生中継を中止させられ、司会の安藤優子氏が番組中謝罪した件がニュースになっている。

代理人弁護士は「弁護士会のルールにより」中継の中止を要請したと報道されているが、実際は弁護士会のルールではなくて、弁護士会館のルールではないか、との指摘も出ており、真相はまだわからない。また、フジテレビは過去弁護士会館で中継したことがあり、今回も事前に中継することを弁護士会に伝えていた、との報道もあるが、こちらも真偽はわからない。

いずれにしても、事の顛末はまだはっきりしていないが、当のフジテレビに対して批判的な投稿がネット上に多く書き込まれているのは事実だ。こうしたネット上のプチ炎上に対し、テレビ局の対応はいつも遅い。

危機管理上、一般企業では考えられないほどだ。

かつて記事にしたが、TBSの夕方のニュース番組で、ある芸能人の覚せい剤使用による裁判の傍聴後の街頭インタビューが放送されたとき、当のインタビューを受けて答えていた女性が他の番組でもよくインタビューを受けている女性であったため、テレビ局側がさくらを仕込んだ、との疑惑がネット上で炎上したことがあった。(実際は、傍聴マニアの女性タレント)その時、筆者がTBSの報道局の人間複数に確認したところ、そのことを全く知らなかった。テレビ局のネットに対する感性はそんなものなのだ。

しかし、SNSの発達で、ネガティブな情報は瞬時に社会を駆け巡る。テレビ局が思っている以上にレピュテーションリスクは大きくなっているのだ。他の企業の中には、そうしたリスクにそなえ、24時間ネットを監視し、何か自社に不利な情報を見つけたらすぐに対処する体制を整えているところだってあるのだ。

今回、フジテレビが意図的にルールを犯して中継を強行したことはないと思うが、違反してないのなら、どのような経緯で中継の判断を下したのか、また、主催者側と行き違いがあったというならどのような経緯でそうなったのか、直ちに詳らかにすべきであろう。

他人の批判はするが、自らへの批判にはすぐに対応しない、というのは報道機関としていかがなものか。今回の件はネット上のデマとかではなく、新聞やウェブメディアなどにしっかりと事実として報道されているものである。早急な説明をフジテレビは行うべきであろう。信頼とはそうした対応の積み重ねの結果得られるものだからだ。

 

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