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.社会  投稿日:2015/6/7

[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【報ステ降板騒動、古賀茂明氏を一刀両断】~元経産官僚宇佐美氏、メディアと政治の関係を語る~


2015年4月8日放送

Japan In-depth 編集部(Aya)

テレビ朝日系報道ステーションのコメンテーター古賀茂明氏が、生放送中に突然、自身がテレビ朝日幹部や古舘プロダクション幹部からの圧力で降板させられたと発言し、それを否定する古舘氏と言い争いになった。古賀氏は、菅官房長官の名前も出し、官邸からの圧力も示唆したが、真相は如何に?ゲストに古賀氏と同じ経済産業省出身の宇佐美典也氏を招き、メディアと政治の関係について議論した。

宇佐美氏は自身のブログの中で、古賀氏の主張について、下記のようにまとめている。

 

〇報ステでの「I am not ABE」発言に関して菅官房長から圧力がかかった

〇それを受けたテレビ朝日の会長と古館プロダクションの意向で自分は報ステを下ろされることになった

〇安倍首相は目指すべき社会として 「①原発輸出大国、②武器輸出大国 ③ギャンブル大国」を目指している

〇こういう安倍首相の方針に対して「原発輸出大国」じゃなくて「自然エネルギー大国」、「武器輸出大国」じゃなくて「平和大国」、「ギャンブル大国」なんかやめて「文化大国」という大きな主張をまとめたものが「I am not ABE」であって、ただの政権批判ではない

 

宇佐美氏は、これに関して、古賀氏の問題点を下記のように分析した。

 

1. 政治的に中立でない
古賀氏は反安倍政権を全面に押し出しすぎている。宇佐美氏は、「政策自体を批判するのは良いが、安倍政権そのものを批判すると、番組そのものが公平でなくなる可能性がある」と古賀氏を使い続けることのリスクについて指摘した。古賀氏は政策を批判しているではないか、という声も視聴者から上がったが、上記の古賀氏の主張自体が決めつけである部分も大きい。

2. 専門外の自分の意見を事実のように話す
古賀氏は安倍政権のエネルギー政策を批判するなど、エネルギー問題や原発についてよく意見しているが、経歴を見てみると、実はエネルギー関連の部署にいたことはない。農業に関しても、事実と違うことをあたかも専門家のように話していたこともあると、宇佐美氏は批判する。

3. 正義に酔って民主主義を軽視する
自分が思う正義の方向に視聴者を誘導しようという意図が古賀氏からは感じられる。

 

実際に古賀氏の言う官邸からの圧力はあったのだろうか。安倍編集長は21年間フジテレビで記者として取材してきた経験からも「皆が思っているほど政治の圧力はない」と語った。「役人はむしろメディアを恐れている」と宇佐美氏。メディアに悪く書かれないように機嫌をとることの方が多いようだ。よく、スポンサーの圧力という言葉も耳にするが、安倍氏はそれも否定した。スポンサーに都合の悪い内容のときは、スポンサー側が降りるという。

「メディアと政治は緊張関係を持っていくべき」と安倍編集長は語り、宇佐美氏はそれに同意するとともに、「放送法の趣旨を尊重すべき」と述べた。報道ステーションは古賀氏を単独で起用し、他の部分で古賀氏と反対の意見を流すなどしてバランスをとる努力をしなかった。その点で、放送法に則った運営を意識していないのではと宇佐美氏は指摘した。

放送ではバランスが重要だ。一つの事象を多角的に見て、良い面と悪い面、両方を視聴者に提示するよう、テレビ局は留意する必要があろう。

(この記事は、ニコ生【Japan In-depthチャンネル】2015年4月8日放送 を要約したもです。録画はこちら
ニコ生【Japan In-depthチャンネル】


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