無料会員募集中
.JID  投稿日:2015/12/5

[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート] 【50代のリアル】〜博報堂「新しい大人文化研究所」統括プロデューサー阪本節郎氏に聞く〜


2015年12月2日放送

Japan in-depth 編集部(Sana)

「人生は50歳まで」と言われる時代は終わりを告げた。50歳以上の人々が人口の40%以上を占め、平均寿命も伸びている現在、50歳は「人生の終わり」を示す指標ではなく、人生の再スタートをも意味する年齢になりつつある。

今回のJapan In-depthチャンネルでは「50代のリアル」と題して、博報堂「新しい大人文化研究所」の阪本節朗統括プロデューサーと、AERA編集部より古田真梨子記者を特別ゲストに、ひと昔前とは異なる50代の生活や働き方に迫った。

今回、特集に50代の生き方を取り上げた理由として、古田記者は以下のように語った。「AERAのターゲットが50代であり、『これからだよ』という明るいメッセージを出したかったこと。そして現代の50代が今までとは異なり、新たな生きがいを見つけようとしている年代であることを示したかった」。なぜ今の50代は昔と異なると言われるのか。

阪本氏は「50代というのは、腰痛など健康にも悪影響が出てくる年齢。従来の50代は体が悪くなった場合、『歳だから仕方ない』と諦めていた。現代の50代は『なんとかして治さなきゃ』と思うようになった。」と以前と現代の50代の違いについて語った。またがむしゃらに働く40代とは異なり、50代を「自分を客観的に見つめることのできる年代」と阪本氏が述べると、40代でスペイン語の学習や武道、書道を始め、バイオリンの練習を再開した安倍編集長は、「自分にとっては40代が自分を見つめることのできるようになった年代だった」と語った。

阪本氏は50代を「ポパイ・JJ世代(1952~60年生まれ)」と「新人類世代(1961~65年生まれ)」の2つに分ける。「『新人類世代』は、幼少期に高度成長を経験しているためか、『楽しいこと』が最上の価値で、上下関係は希薄、自由で軽やかという特徴があります。見た目にとても気を遣う方も多いですね。一方で『ポパイ・JJ世代』は、“自分は自分、他人は他人”。子供や他者に理解がありますね。好みも多様、“生活・人生を楽しむ”“選択肢が多い”という特徴があります」とそれぞれの特徴を述べた。

50代が若い頃は「付和雷同」、現代の若者は「不況を知らないので、“個”がしっかりしている」と言う阪本氏に対して、安倍編集長は「バブル世代は調子に乗っていると皮肉を言われることがときたまあった」と述べ、{バブル}という現象に対する若い世代の反発の空気があることを指摘した。

それを受けて、「バブル世代は“万能感”がある。つまり、なんでもできると思っている/思い込んでいる人がいることを、若者には理解していただければ」と阪本氏は述べた。

50代は、消費を牽引する世代としてもマーケットの対象となっている。阪本氏は「50代になると子供が独立する。子供の教育費にかかっていたお金が全部自分たちのものになり、好きなものにお金を費やすようになる」と50代の金銭感覚を指摘した。安倍編集長が「孫ができる世代でもあるのでは」と聞くと、阪本氏は「おばあちゃんと呼ばせず、『大ママ』と呼ばせたり、名前で呼ばせたりする女性の話はよく聞く。男性は油断して『じじい』と呼ばれるのが大半だ」と答えた。

孫の話から「元気な50代女性が、自分の子供に代わって孫を育てる傾向がある」と古田記者が言うと、阪本氏は「ヤングママが子供を育てなくてはいけないという傾向は、実は日本の歴史を鑑みるとあまり見られなかったことだ」と指摘し、世代に関わらずあらゆる人が子供の面倒を見るようになる今の傾向は女性が社会で仕事をして活躍する時代において、好ましいことであるとした。

健康に大いに関心を持っている50代は、老老介護のお世話にならないよう準備を怠っていない、と阪本氏は述べた。「(高齢者を若者世代が支えきれず、共倒れすることを表した)“一億老後総崩壊”、“一億生活総崩壊”という言葉がある。その言葉が現実とならないよう、『年寄りが年寄りらしくなら』ないことを目指し、ジムやヨガに行き、仕事に邁進する意欲を持たなくてはいけない。そして若い人へ負担をかけるのでなく、同じ年代で支え合う意識を持つことが大切だ」。

自身も50代後半に起業した安倍編集長は「“逃げ切り世代”、“企業内失業者”と呼ばれている人たちもいるが、若い人たちへの還元も考え、起業するだけの気負いがあっても良いのでは」と締めくくった。

(この記事は、ニコ生【Japan In-depthチャンネル】2015年12月2日放送 を要約したものです)


copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."