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政治  投稿日:2014/12/14

[細川珠生]【深刻化する「介護離職」問題】~女性の社会での活躍を阻害~

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「細川珠生のモーニングトーク」2014年12月6日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)|執筆記事|プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

 

今回のテーマは介護。選挙の争点として前面に出てきてはいないが、国民全員にとって実は身近な問題である。この問題に詳しい淑徳大学教授の結城康博氏が、介護の現状と課題について語った。

介護保険制度は3年置きに見直しが行われ、来年がその見直しの年に当たる。結城氏の懸念は、介護報酬マイナス6%という案が出ていること。「ヘルパーの賃金が上がらないと、マンパワー不足になり、要介護者がサービスを受けづらくなる」と不安を示した。

近年、介護離職の問題が深刻化している。親の介護のために年間10万人近くが離職し、中でも50代の女性が多いという。結城氏は、「介護離職の問題と女性の活躍という問題はリンクしている」と話す。

介護サービスが充実すれば、その子供は安心して仕事を続けられる。介護離職を減らすことが女性の社会進出にとって重要なポイントなのである。細川氏も子育てをしながら、父親の介護を経験し、大変な苦労だったと語った。親について安心感があるのは子育て世代の女性にとっては嬉しい。

結城氏の分析によると、国の政策は在宅介護にシフトしており、家族に介護を依存していくような形になっている。共働き世帯や独居高齢者、老夫婦世帯が増えている現状をみると、在宅だけでは難しい部分がある。結城氏は「施設と在宅は車の両輪のように考える政策が必要だ」と話した。

在宅介護の難しい点について、結城氏は「①認知症高齢者の増加、②医療的ケアの必要性」という2つのポイントを挙げた。現在、軽い認知症患者は470万人、中重度で300万人と言われている。

認知症の方の介護は非常に難しい。重い認知症になると、徘徊をして行方不明になってしまう恐れがあるため、家族は目を離すことができない。また、インシュリンの注射を打つ必要がある、痰を常時とらなければならない等の要介護者の場合は、ヘルパーや看護師の方がいない時間帯に自分たちで対応しなければならないため、家族の負担は相当なものだ。

結城氏によると、喫緊の課題は大都市だという。「地方では高齢化が進んでいることから、施設等が既に整備されている。しかし、大都市では急激に高齢者が増え、介護難民の続出が予想される」と話し、急ピッチで大都市の介護サービスを充実させていくことの必要性を主張した。

又結城氏は、国が介護サービスの整備を主導していくことが必要だと訴えると同時に、国民一人一人が介護のことを考え、財源を負担していくことも重要だと話した。実は医療と違って、8割以上の国民は介護サービスを使わないという。国民の中には他人事のように思っている人もいるが、一人一人がこれからこの問題が自分に降りかかってくるということを意識するべきだ。選挙の争点として大きく報道されていないが、これを機に介護について自分のことだと意識して真剣に考えることが必要だろう。

(注:この連載はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」の放送内容をJapan In-depth 編集部が許諾を取り、原稿化したものです。)

細川珠生のモーニングトーク

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時5分~7時20分

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