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.社会  投稿日:2018/11/5

和創イノベーション


Japan In-depth編集部(大川聖)

【まとめ】

・秋の夜長を和装で過ごすイベントが催された。

・落語や芸者といった日本の伝統文化との出会いを堪能。

・実際に体験する場を設けることで、文化が継承されていく。

 

 11月3日㈯文化の日、秋晴れの中、渋谷TRUNK(HOTEL)のテラススイートを貸し切り、和装イベント「KIMONO STYLE秋の宵 @ TRUNK(HOTEL)」が開催された。主催は、丸紅従業員組合/和創イノベーションプロジェクト。本イベントは、和装に身を包んだゲストを芸者や落語でおもてなしし、交流を深めることで、日本文化との出会いを楽しんでもらうものである。和装は、レンタル又は一式購入で、着付けサービスがあった。2回の時間入れ替え制で、各回男女合わせて約40人のゲストが参加した。

 

 

▲写真 会場は渋谷TRUNK(HOTEL)のテラススイート (c)Japan In-depth編集部

 

参加者がお食事やお酒を片手に交流を深める合間には、金原亭龍馬(きんげんていりょうま)師匠によって古典落語『鷺とり』が披露された。参加者の多くは、初めて落語を生で観たが、秋の心地よい風を感じながら聞き入っていた。

 

▲写真 落語家 金原亭龍馬(きんげんていりょうま)師匠 (c)Japan In-depth編集部

 

 また、大井海岸まつ乃家栄太朗氏も出演された。栄太朗氏は、日本で唯一の女形芸者である。参加者たちは長唄や踊りを楽しみ、所作の端々にあらわれる美しさに魅了された。さらに、お座敷遊びで有名な「金比羅船々(こんぴらふねふね)」は参加者も体験し、盛り上がった。

▲写真 長唄を披露している、大井海岸まつ乃家栄太朗氏 (c)Japan In-depth編集部

 

▲写真 「金比羅船々(こんぴらふねふね)」を体験している様子 (c)Japan In-depth編集部

 

▲写真 お座敷遊びを観ている参加者たち(c)Japan In-depth編集部

 

 参加者からは、「着物を着るだけで気分があがった。和装で落語や長唄を生で観ると、より楽しめた。」「母親が着付けができるので子どもの時は着物をむしろ嫌厭していた。今回は、友人の誘いがあって、今流行している渋谷TRUNK(HOTEL)のテラスで行われるということで参加しやすかった。こういった機会があったら、また参加したい。」「着物は値段が高く手が出せないイメージだった。今回のイベントを機会に購入したが、着る場があったらどんどん着たい。」「今回は着付けてもらったが、自分でも着付を覚えて、普段から着物を着る機会を増やしたい。」といった声がきかれた。

 

 

▲写真 振袖を着た参加者の様子 (c)Japan In-depth編集部

 

 実は筆者も今回は振袖で参加した。和装は、成人式の時に振袖を着て以来人生で二度目であったが、姿勢や振る舞いにも自然と気を遣えると感じた。普段は選ばないようなデザインに挑戦し、あまり機会のない落語や芸者による踊りを生で観ることができ、参加者の一人としても本イベントを楽しんだ。

▲写真 振袖を着た筆者 (c)Japan In-depth編集部

 

 

 丸紅従業員組合/和装イノベーションプロジェクトは、「和装で社会を心豊かにしよう」という思いで、有志社員により今年4月から発足した。プロジェクト主催の木下元介氏は「今回のイベントのテーマは『出会い』である。参加者同士の交流は勿論、着物を着た自分自身とも出会うことで、感動を味わってほしい。こういった機会を通して、和装を楽しんでいただければ嬉しい。」と話した。

 

▲写真 木下元介氏 (c)Japan In-depth編集部

 

 和装は主に「着る機会がない、着方がわからない、値段が高い」の3つがハードルになっている。本イベントを通して参加者は、日常生活ではなかなか味わえない”和“との触れ合いや、和装ならではの場の雰囲気の心地よさを再認識したようだ。着物を着た一体感は異業種の交流も深めており、イノベーションの端緒を垣間見ることができた。日本の伝統の文化は残念ながら廃れつつあるが、今後も現代の文化と掛け合わせた価値を見つけ、体験する場を通して’’和’’のよさを広めていくことが重要である。

 

 

丸紅従業員組合/和装イノベーションプロジェクトの活動内容は、Instagram「#男子きもの部(ID:yuagari_nomi)」「#お姉さんのための浴衣で夕涼み(ID:wasoproject)」にて掲載。

 

 

 

記事制作:Japan In-depth編集部(大川聖)

取材:Japan In-depth編集部(大川聖)

トップ写真:(c)Japan In-depth編集部

 

 

 


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