「日本の魅力 世界に発信したい」 2018ミス日本酒ファイナリスト発表会
Japan In-depth編集部(小寺直子)
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新春にふさわしい華やかな会場。10日都内で行われたのは、「2018 ミス日本酒 ファイナリスト発表会」である。各地域の代表者であるファイナリスト22名(1名欠席)が艶やかな振袖姿で一堂に会した。
ミス日本酒とは、単に”日本酒をどれだけ愛しているか”という基準で選ばれるようなものではない。伝統ある日本酒はもとより、日本文化の魅力を世界中に発信する役割を担い、さらには世界基準の美意識と知性を身に着けた女性がミス日本酒という名のアンバサダーとして選ばれるのだ。
2013年に初代ミス日本酒が誕生してから、今年で5年目になるという。
■国内消費は年々減少 しかし海外では日本酒ブーム
(c)Japan In-depth編集部
日本酒好きとしては悲しいが、国内での日本酒消費量は1973年(昭和48年)をピークに、下降の一途をたどっている。(国税庁)酒類の多様化や、糖質制限ダイエットの為にお酒を飲まない傾向がさらに日本酒離れに拍車をかけていると思われる。国内の酒類消費数量のうち日本酒が占めるのはわずか6.7%という危機的状況なのだ。
図)日本酒の国内出荷量の推移
出典)農林水産省「日本酒をめぐる現状」
図)酒類別の出荷量の推移
出典)農林水産省「日本酒をめぐる現状」
ミス日本酒も、京都市の清酒による乾杯を促進するための”乾杯条例”を受け、日本酒や日本伝統文化の見直し、促進を目的に発足したという。
しかし、国内の状況とは打って変わって、海外輸出は7年連続過去最高、まさに日本酒ブームである。
海外に行けば、現地料理のレストランでさえ、メニューに「SAKE」という文字を目にする。もはや世界の主要な都市で日本酒を見かけないことはないのではないか。
図)清酒の輸出金額・数量の推移
出典)国税庁 (平成29年2月)
アジアだけではなく、オーストラリア・英国などでも日本酒の輸出量は対前年比15%以上上回っている。世界での日本酒の高評価の最大の要因は、和食が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されたことが一因となっている。
表)清酒の国(地域)別輸出金額
出典)国税庁(平成29年2月)
「ミス日本酒」は国内でのイベント出演はもちろん、蔵元・酒造メーカー、料理人の方たちと連携し、日本酒のPRを行う。また、国内に留まらず、ハワイ、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、バルセロナ、シドニー、香港等、世界各国において日本酒を切り口にした、日本の食・文化に関する啓発や、日本への観光誘致活動を年間400件も行っている。
「ミス日本酒」は、世界中で日本酒ブームを更に拡大してくれる存在になりそうだ。
写真)2017 ミス日本酒グランプリ 田中梨乃さん
(c)Japan In-depth編集部
今大会のファイナリストに選ばれた方々にインタビューした。
福岡代表の山本みずきさん(慶応義塾大学大学院修士1年)は、
「6歳から生け花や剣道などの日本文化に触れてきた。日本の伝統を同世代、そして次の世代にも受け継いでいきたい」と意気込みを語った。
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スポーツ観戦が趣味という、東京代表の笹木香利さん(タレント)は、「東京オリンピックでは、イギリスのパブのように、盛り上がって日本酒を飲んでほしい」と語った。
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愛知代表の近藤楓さん(中京大学3年)は、「アメリカ留学で日本文化の奥深さ、日本酒の人気も知った。日本国内でも、日本酒の消費を上げていきたい」と笑顔で語った。
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グランプリ発表会は2018年3月12日(月)18時から 、ウェスティン都ホテル京都にて開催される。
”世界が恋する日本酒”アンバサダー「ミス日本酒」の誕生とともに、SAKEが世界中に広まることを期待したい。
トップ写真)2018 ミス日本酒ファイナリスト
(c)Japan In-depth編集