.国際  投稿日:2018/12/8

遠い国のあなたへ~少女の笑顔が消えるその前に~ サヘル・ローズ氏

Pocket

Japan In-depth編集部(小俣帆南)

【まとめ】

・サヘル氏はプラン・スポンサーシップを通じてチャイルドと交流。

・インドネシア訪問したサヘル氏「現地の生活環境、改善点多い。」

・私たちにできることは何か考える必要がある。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43153でお読み下さい。】

 

女優のサヘル・ローズ氏が、国際NGOプラン・インターナショナル主催の「プラン・ラウンジ」というトークイベントに12月3日、登壇した。サヘル氏は、BS12で放送された、ドキュメント番組「遠い国のあなたへ~少女の笑顔が消えるその前に~」に出演している。番組では、プラン・スポンサーシップという支援方法で、手紙を通じて交流するインドネシアの少女に初めて会いに行く様子を追った。今回のトークイベントでは、番組撮影に同行したプラン・インターナショナル広報の鈴村久美子氏と共に番組撮影秘話を語った。

▲写真 プラン・インターナショナル広報の鈴村久美子氏 ©Japan In-depth編集部

今年8月、サヘル氏は交流するチャイルドであるアナに会うため、インドネシア東部の西ティモールに向かった。手紙のやり取りのみだったアナとの初対面を楽しみにしていたサヘル氏は、彼女に初めて会った際の感想について「小さな体で懸命に生きようとしている力強さを感じた」と話した。

アナは経済的に苦しい家庭に育っているが、「大人になったら教師になり、両親に恩返しをする」という夢を持つ。サヘル氏は「アナをはじめとする子供たちの目は真っ直ぐで嘘が無く、きらきらとしていた」と話し、子どもたちがそれぞれの夢をもって前向きに生きていることが印象深かったと語った。だからこそ、現地の子どもたちが置かれている状況が彼らにとって「普通」であることに危機感を覚え、生活の安全性や教育の充実など改善していくべき問題が山積していることを改めて実感したと述べた。

▲写真  現地での様子を語るサヘル氏 ©Japan In-depth編集部

イベントにはサヘル氏と親交が深いフォトジャーナリストの安田菜津紀氏も参加しており、サヘル氏の今回のインドネシア訪問について「子どもたちがサヘル氏の姿を見てその愛に触れたことで、希望を持つことが出来たのではないか」と話した。「番組に登場した子どもたちの目がとても綺麗で自分も行って写真を撮りたい」と述べた。

▲写真 サヘル・ローズ氏とフォトジャーナリスト安田菜津紀氏 ©Japan In-depth編集部

インドネシアでは著しい発展を遂げる都市部に対して、農村部では未だ貧しい生活を強いられている国民が少なくない。今回サヘル氏が訪れたソエという活動地域では、乳児死亡率は4.5%(日本は0.3%)に上り、改善された水源の利用率も23%に留まっている。実際、アナも5ℓもの水を村唯一の水道から家まで運ぶことを日課としており(一日2回)、彼女と一緒に水汲みを体験したサヘル氏も「本当に大変な仕事」と話した。

サヘル氏はアナの通う学校も訪問した。その学校はプラン・インターナショナルが建てたものであり、そこに通う子どもたちの姿勢からは学校に通える喜びや勉強出来る嬉しさが滲み出ていた、とサヘル氏は語った。

一方で、未だ子どもへの教育は十分であるとは言えないとも話した。「学校を訪問した時に校長先生から一番初めにお願いされたことは、保護者に教育の大切さについてメッセージを送って欲しい、ということだった」そうで、貧しさから経済的にも時間的にも子どもを学校に通わせる余裕がないこと、その余裕の無さが保護者の教育に対する理解を不十分にさせていることなどを実感したと述べた。「教育は裏切らない」とサヘル氏は繰り返し、問題を根本的に解決して教育を普及させていくことが非常に重要だと語った。実際、子ども、特に女の子に勉強の機会を与えることが将来的にその地域にプラスに働くことが明らかになっているとの調査結果もある。

▲写真 プラン・インターナショナルが建てた学校の様子 ©Japan In-depth編集部

急速に変わりゆく世界の裏側で取り残され、困難に直面する子どもたちの現状を追った同番組の収録を終え、サヘル氏は「アナに会えて良かった」と話した。現地を訪れたことで「アナや現地の子どもたちのことを身近に感じた。彼女たちの生活環境が見えたことで、心に寄り添うことが出来た」と語り、日本からの支援がどう還元されているのかを確認することが出来たことに大きな価値を見出したと言う。

最後にサヘル氏はイベント参加者に向けて「平和ボケしないで欲しい」と訴えた。「こういう活動をしていると”偽善者”だと言われることもあるが、それでも良いと思っている」とも話し、自分なりの問題への関わり方を見つけて発信していくことが大事だと述べた。

遠く離れた地で起こっている問題を他人事にしない為に、例えば「インドネシアと聞いたらアナのことを思い出してみて欲しい」と言う。日本に住む自分たちも少なからずこの問題に関わっているという当事者意識を持ち、そこに住む人たちや問題の渦中にある人たちの存在を心に留めることも、問題解決に繋がるのではないか、と語った。

▲写真 支援を必要とするチャイルド ©Japan In-depth編集部

平和な国で不自由ない生活をしている私たちがすべきことは何か。困難な状況にありながら、未来を切り開いていこうとする彼女たちの為に何が出来るのか。一当事者として考え続けていく必要がある。

「遠い国のあなたへ~少女の笑顔が消えるその前に~」(BS12)番組URL:https://youtu.be/jHl4Q-K4s6I

トップ画像:学校に通うアナの真剣な表情について語るサヘル氏 ©Japan In-depth編集部

Pocket

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."