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.国際  投稿日:2020/4/16

米、救済法で収入増の人続出


Japan In-depth 編集部(元木満里奈)

【まとめ】

・米の新型コロナ感染による死者は2万5000人超で世界最多に。

・新型コロナ救済法案で、普段働いている時よりも多くの収入を得ている人が続出。

・カリフォルニアでは人々が自粛生活に適応し始めた。

 

アメリカの新型コロナウイルス感染による死者は2万5000人を上回り、ついに死者数が世界最多となった。(4月14日現在)ワシントン大学ヘルス指標・評価センター(IHME)によるとカリフォルニア州では今週の水曜日(4月15日)に新型ウイルスによる1日の死者が66となり、このパンデミックのピークになると予測している。

私はサンディエゴ在住なのだが、同じカルフォルニアでも地域によって新型コロナウイルスによる政策は異なる。サンディエゴカウンティー、そしてロサンゼルスカウンティーは、南カルフォルニアの中でもいち早くロックダウン政策を投入し、ビーチ、公園、ハイキングコースなどの人の集まる場所を3月下旬に封鎖し始めてから早くも1ヶ月が経とうとしている。

最初の2週間はサンディエゴが所有していない州立公園や州立ビーチは空いていたが現在は全て立入禁止となっている。

図)サンディエゴカウンティーの新型コロナウイルス感染者数の推移。4月14日現在で1930件。

出典)County of San Diego

ロックダウン始めの週末は新型コロナウイルスに対して甘く見ていた若者たちでビーチは賑わい、正直、非常事態が発令されているとは思えない光景だった。しかし週末明けにはサンディエゴのビーチはすぐに封鎖された。最初はサーフィンやウォーキングなどのアクティビティーが許可されているビーチもいくつかあったが、今現在は完全に封鎖となっている。

こんな状況下でもサーファー達は最後の最後までライフガードが出勤する朝の10時まで封鎖された海に入ろうとし、最初の1、2週間は警察を困らせていたが、ここ最近は取り締まりも厳しくなりサーファー達もやっと諦めたようだ。未だ南カリフォルニアで空いているビーチはオレンジカウンティーのハンティントンビーチ周辺のみである。ルールに従わなかった場合は$1000の罰金または6ヶ月間の囚役である。

写真)夕日時間にも関わらず誰もいないビーチの様子(インペリアルビーチ)

出典)筆者

この新型ウイルスによって多くの人が一時解雇され、すでに失業保険申請をした人は先週末の4/11より最初の手当を受け取っている。私の周りの友人で未だに仕事があるのは、社員としてオフィス勤めしていた1人だけ。彼は現在ンラインで在宅勤務しているが、そのほかのレストランやホテルの現場で働いていた友人たちは完全に仕事を失ってしまった。

しかしこれがプラスに働くのがアメリカだ。先日トランプ大統領が2兆2000億ドルを新型コロナウイルス対策の救済法案に署名したため、普段働いている時よりも多くの収入を得ている人が続出している。現にアルバイトをしていた私の友人達も、普段の収入の約2倍以上の金額を受け取っていたりする。

失業保険では普段の収入の100%がカバーされ、それに加え州によって割合が違うのだが、カリフォルニア州では政府が失業保険申請をした人に対し、週に$600の援助を7月末まで行う。さらに一時援助金として、現在未だ仕事がある人にも$1200が支給される予定である。この状況を目にしていると日本は一体何をやっているんだ、というのが正直な感想である。

そんな中でもビジネスがいつも以上にのびているのはマリファナ業界だ。大麻が合法であるカリフォルニア州特有である。マリファナのディスペンサリーで働いている2人の同級生によると、ロックダウンが始まってから店は忙しくなる一方で、シフトも増えたという。必要最低限以外は外に出るなというこの状況下なので、あまりにも納得できるカリフォルニアらしい話である。日本では考えられないことなのだろう。

 

写真)警察が駐車場を封鎖している様子

出典)City of San DIego Twitter

そして最初の2週間全く目にしなかったマスクもここ1、2週間でマスクをしていない人の方が少なくなった。アメリカでは日本と違いマスクをつける習慣が全くと言っていいほどない。マスク=病人というイメージが強いことから、予防目的という認識は薄いのだ。

私自身、カリフォルニアに住んで5年近くになるが日常的にマスクを身につけている人は見たことがないに等しい。しかしこのコロナウイルスでスーパーや外を散歩している人でもマスクやバンダナで顔を覆っているのが当たり前となった。新型コロナウイルスはもうここまできているということなのだろう。

このロックダウンもついに5週目に突入して人々のクリエイティブさが目に見えるようになってきた。ビーチで夕日を見ることができないので、1日のおわりには多くの車がビーチ沿いの車道に車を止めて、車内やアメリカ特有の荷台の上から夕日を楽しむ人で溢れる。

私の住む地域には、車のラジオ周波数を合わせて車内から楽しめる野外のドライブスルー映画館があるのだが、そこもいつもに増して賑わっている。あとどれくらい続くかもわからないこの状況下でカルフォルニアの人たちはこの現状に適応しようと、または適応してきてるようにここ最近感じる。一刻も早く普段の生活に戻れるよう願うばかりだ。

写真)車道に車をとめて車内から夕日を楽しむ人たち(サンセットクリフビーチ)

出典)筆者

 

トップ写真)テープで封鎖されたインペリアルビーチ(サンディエゴ

出典)筆者

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