豪、コロナ収束と第2波の狭間
【まとめ】
・豪州、休日は集団がみられるように。
・街中は、他人と距離を取るよう呼びかけるポスターで溢れる。
・解放感を感じる人々、規制緩和の段階を1つずつ踏んでいけるか。
■ 現状
新型コロナの感染者数拡大防止のため実施されていた規制緩和が進んでいる豪州だが、SA州政府は映画館やジムの再開にあたるステップ2を6月5日に早めることを発表した。
▲図 Roadmap to a COVIDSafe Australia 出典:在オートラリア日本国大使館
なお、現在(5月28日時点)豪州内の感染者数は以下の通りである。
[5月28日時点 感染者数(死亡数)]
首都特別地域(ACT) 107(3)人
ニューサウスウェールズ州(NSW) 3,090(48)人
ビクトリア州(VC) 1,628(19)人
クイーンズランド州(QLD) 1,058(7)人
南オーストラリア州(SA) 440(4)人
西オーストラリア州(WA) 570(9)人
タスマニア州(TAS) 228(13)人
北部準州(NT) 29(0)人
合計感染者数 7,150人
死亡者数 103人
退院者数 6,580人
データ出所:Australian Government Department of Health
■ フライト情報
現在唯一の日豪直行便であるシドニー・羽田間の運航をしている全日空は、週3便の運航を6月29日まで継続することを発表した。一方で、パース・成田線は6月30日まで運休を延長するとした。在ブリスベン日本国総領事館は、長期滞在が困難な人を対象に引き続き日本への早期帰国を呼びかけている。
また、Australian Chamberより、豪州への出入国禁止措置緩和について今後のタイムテーブルが発表された。あくまで案であるため確定ではないが、いち早く且つ着実に緩和が進むことを願う。
▲表 豪州出入国禁止措置緩和のタイムテーブル案 出所:Australian Chamber of Commerce and Tourism
■ 街の様子
先週末、クイーンズランド州ブリスベン内の公園で再開されたファーマーズマーケットでは、多くの人で賑わった。
現在の規定では集会は10人までとされているが、それぞれの集団が同じ公園内に集まれば、どうしても密集状態になってしまう。
▲写真 Davis Park Farmer’s Marketの様子(筆者撮影)
とはいえ、駅や電車はガラガラであり、ほとんどの人が公共交通機関を避け車で移動している人が多いと考えられる。
▲写真 サウスブリスベン駅ホーム(筆者撮影)
▲写真 クイーンズランド 電車内の様子(筆者撮影)
シティー内では営業再開したカフェやレストラン、ショップなどが増え、以前のように行き交い始めたが、平日はまだ静けさが残っていた。
▲写真 King George Square, Brisbane (平日)(筆者撮影)
クイーンズランドの歩行者用信号は、青にするためにボタンを押す必要があるが、現在シティー中心地では感染拡大対策のため自動で切り替わるようになっている。少し郊外に行くと自動ではないが、手洗いと、ボタンを腕で押すよう呼びかけるステッカーが張られている。
▲写真 歩行者用信号を青に切り替えるボタン。腕で押すようステッカーが張られている。(筆者撮影)
カフェやレストランは第2波の備え、非常に協力的な印象を受けた。入り口には消毒液を設置し、店内に人が定数以上入らないよう管理を徹底している店がほとんどだ。チーズファクトリーやカフェを開いているMaleny Cheeseでは、接触者追跡調査(Contact Tracking)が機能するようテーブルに連絡先の記入や密集回避を促すボードが置かれていた。
▲写真 連絡先が記入できるボード Maleny Cheese Cafe(筆者撮影)
学校も段階的に再開し、学生の姿も多くみられるようになった。休日には家族や友人との時間を楽しむ人もみられ、日々に生活で笑顔や余裕が取り戻されつつある。しかし、決して油断はできない。ショッピングモール内や公共施設、飲食店などが呼びかけを行っている中、利用者も同様の協力的な姿勢を忘れてはならない。Maleny Cheese の店員は、「臨機応変に状況を判断し、カフェの営業時間や提供する商品を調節している。せっかく良くなってきている状況を無駄にせぬよう、しっかり対応していきい。」と話した。
トップ写真:South Brisbane Station, Queensland, Australia(筆者提供)