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.国際  投稿日:2020/5/20

豪コロナ収束、街に賑わい戻る


Japan In-depth編集部高橋十詠

【まとめ】

・新型コロナの規制緩和で小規模の集会が可能に。

・街中は人々で賑わいを取り戻しつつある。

・第2波の有無は国民の主体的行動にかかっている。

 

■ 現状

豪州では新型コロナウイルス感染者数は3月中旬にピークを越え、4月以降大幅に減少して現在に至っている。5月20日12時現在(現地時間)、これまでの感染者数7,068人、回復した人数6,411人、死亡者99人となった。

▲図表 新型コロナ感染者数推移 出典:Australian Government Departpent of Health

こうした中、新型コロナ感染拡大防止による制限措置の緩和が進んでいる。感染者の9割が回復したとされており、5月19日現在、豪州では以下等の行動が可能になっている。

 

 ・屋内外で、10人までの集会が可能。

 ・150km圏内の外出、移動が可能。

 ・公立学校の段階的再開。

 ・飲食店で10人までの着席可能。(物理的距離が保てる場合)

 ・公園と自然保護区の再開。

 ・プレイグラウンド、屋外フィットネスエリア、スケートパーク、ドッグパーク等の公共施設が再開。

 ・図書館の再開。(4平米に1人まで)

 

豪州政府は今後、制限緩和を以下の段階で各州ごとに実施していくようロードマップを発表した。

▲図 Roadmap to a COVIDSafe Australia 出典:在オートラリア日本国大使館

 

■ フライト情報

日豪直行便を5月末まで運休としていた、カンタス航空及びジェットスターは、国際線の運休を7月末まで延長する予定を発表した。

日本航空は、運休を6月1日までとしていたが、その後の予定は発表されていない。

一方で全日空は、現在唯一の日豪直行便であるシドニー・羽田間の運航を、6月15日まで延長することを発表した。なお、運航は月・水・土の週3日としていおり、6月16日以降については未定である。

日本国総領事館は引き続き、日本へ早期帰国が必要な人に対して早めの帰国検討を呼びかけている。

 

■ 日常

豪政府は、新型コロナ感染者数は抑られており、状況は「落ち着いてきている」と表現している。制限緩和が進んだ先週末、海辺にある公園は人で賑わい、駐車場は満車だった。

付近のカフェには、他人とソーシャルディスタンスを保つよう注意を促すポスターが設置されていた。列に並んでる人々も、互いに意識し合っているように見えた。

▲写真 カフェに設置された社会的距離の保持を促すポスター「1.5m間隔を開けましょう」:筆者撮影

 

■ 第2波の懸念

一方、制限緩和が早すぎるという声も多い。予測がより一層難しいとされる第2波を防止するべく、政府は接触者追跡調査(Contact Tracking)に引き続き力を入れていると説明した。これは感染者および感染者接触者の早期発見、早期隔離のために行われているものである。

しかし「これだけでは不十分」という意見もあれば、カフェに設置されている消毒液を無視するような人もいる。長い自粛期間を経て、国民の意識はかなり二極化しているようだ。

また、現在QLD(クィーンズ・ランド)州からNSW(ニュー・サウス・ウェールズ)州への移動はできるが、逆のNSWからQLDに移動することはできない。これはNSWの方が遥かに感染者数が多いためであるが、この事実に対しグラディス・ベレジクリアンNSW州長は反対の意見を述べている。シドニー、ブルー山脈、バイロンベイなど人気観光地を含むNSWは、大きな観光収入に頼っている。経済のいち早い回復の為に、今すぐにでも州境を解放するべきだと主張している。

▲画像 Gladys Berejiklian, Premier of New South Wales 出典:NSW Government

豪州では少しずつ日常が取り戻されつつあるように思えるが、「潜在感染者は常にいる(もしくは自分が潜在感染者であるかもしれない)」という意識を高く持つか否かが、今後を左右すると言える。そして何より、規制緩和=パンデミック終了ではないということを、私たちは頭に叩き入れておかなければならない。感染拡大が落ち着いてきた今こそ、根気強く忍耐し続ける時期であろう。

参考:https://www.news.com.au/travel/travel-updates/nsw-tells-queensland-to-reopen-border/news-story/4a17f1acb8f8b3f2c39ba7fa7cd7a331

トップ画像:Sydney 出典:flickr by Kenny Teo


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