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.社会  投稿日:2024/1/31

ペットの権利は誰のもの?動物愛護法改正に向け、署名活動中~そこが変だよ!犬猫裁判~


Japan In-depth編集部(渡辺結花)

【まとめ】

・現行の動物愛護管理法では、虐待にあった動物を飼い主から引き離すことができない。

・2025年は、前回の施行から5年をめどに見直される動物愛護管理法の改正が予定される年。

・海外の事例なども参考に、虐待防止に向けた取り組みも必要。

 

◾️虐待されたペットはどうなるのか

度々ニュースやSNSで取り上げられているように後を絶たない動物虐待。動物たちが暴力を振るわれたり、衛生的でない環境での生活を余儀なくされたりする姿を見ると、ペットを飼っていない人でも胸が痛む。

令和3年度は動物を虐待し、起訴された事例が71件、不起訴の事例は209件にのぼっている。特に自宅内で餌や水を与えない飼育放棄(ネグレクト)は周囲に気付かれにくく、発見も遅れやすい。一方、SNSに投稿した猫を叩いたりする様子を撮影した動画が拡散され、検挙されたものの不起訴となった事例もある。

そうした中、フリーアナウンサーで、動物福祉や生物多様性保全を目的として活動している「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル(2014年設立)」理事長の滝川クリステルさんは、「日本の今の法律では、虐待から動物を守れないことをご存じですか?」と問いかける。

どういうことか?

実は日本では、動物を虐待した飼い主が動物愛護管理法違反で起訴されたのち、飼い主が動物を虐待した事実が認められて有罪判決が出ても、飼い主が所有権を放棄しない限り、動物は虐待を行った飼い主の元へと戻されてしまうのだ。

動物愛護管理法の改正は5年に一度。来年2025年の法改正を目指しクリステル・ヴィ・アンサンブルは、去年9月にプロジェクト「#飼い主に傷つけられた動物を守れる社会に」を開始、署名活動を行っている。2024年1月末時点ですでに37,000以上の署名が集まっている。

動画 :  「そこが変だよ!犬猫裁判」 動物愛護管理法の見直しは5年に一度の今です

◾️クリステル・ヴィ・アンサンブルの取り組み

クリステル・ヴィ・アンサンブルは、動物愛護管理法に対し、以下の3点の明記を求めている。

① 緊急一時保護
虐待を受けている(疑いのある)動物を、行政は警察と連携して適切なタイミングで一時保護しなければならない

② 所有権の喪失
虐待の程度が酷い場合や飼養環境が改善されないなど一定の条件をみたした場合には、当該動物の所有権を飼い主から喪失させることを可能とする。

③ 行政による被虐待動物の保管
一時保護された動物は、原則として、行政が保管する(所有権喪失後は、民間等とも連携の上、新しい飼い主探しを行う)。

これらは、飼い主が所有権を放棄し行き場を失った動物が安心して暮らせるようになるための要請だ。

◾️改正に向けての課題

「動物の緊急一時保護が必要」と前述したが、実現には課題が残されている。都道府県や市区町村などが運営している動物愛護センター(自治体によって呼び名は異なる)は、遺棄などによって飼い主がいなくなった動物などが保護されているが、施設数が足りていないのだ。受け入れられた動物は引取先を探すが、新しい飼い主が見つからなければ殺処分となってしまう。近年殺処分数は減少傾向にあるが、それは民間の保護施設が増加しているからだと考えられる。だが民間の施設の全貌を把握するのは困難で、実態が明らかになっていない。保護施設の拡充に国が尽力していく必要がある。

◾️虐待を防ぐには

また、動物の虐待を防ぐためにはそもそも虐待をするような飼い主に動物を引き渡してはならない。現在の日本は街中にペットショップが点在し、誰でもお金さえ払えば手軽にペットを飼い始めることができる。特にコロナ禍で増えた「おうち時間」を充実させるためにペットを飼い始めた人も多かった。

しかしペットの需要が急に増えることは、劣悪な環境での過剰な繁殖を促すばかりか、ネグレクトや虐待に繋がりやすい。実際、動物愛護先進国とされるスイスやイギリスはすでに生後8ヶ月未満の動物の売買と、動物のペットショップでの販売を禁止している。

こうした状況から2019年には飼育者一人当たりの飼育数を犬は15匹、猫は25匹、販売用の犬は20匹、猫は30匹を上限とする動物愛護管理法の改正案が生まれた。だが、ペットショップやブリーダーからの「環境の整備が追いつかない」「殺処分が増える」などの声を受けて、2024年度に施行は先送りされている。

◾️海外の事例

ドイツでは民間の動物保護施設である「ティアハイム」が注目を集めている。シェルターに動物を閉じ込めるのではなく、一匹あたり最低6㎡以上の広い飼育スペースが確保され、互いに顔が合わせられるように設計がなされている。また付近の敷地は自然に囲まれており、かめやうさぎといったそれぞれの飼育環境にあった場所が用意されている。「動物の幸せ」を一番に考えた施設だ。この施設の譲渡数は8割を超えているという。

動物を「下」に見るのではなく、私たちと同じ命あるものとして扱っていく姿勢が今後の鍵を握っているといえよう。「隣」で生きる小さな命を守るために、あなたにもできることがあるはずだ。

署名に賛同する方は署名サイトへ。

【署名の主催団体】⁡

一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル⁡

設立: 2014年5月⁡

代表 : 滝川クリステル⁡

HP: https://christelfoundation.org/

X(旧Twitter): https://twitter.com/christelvef⁡

Instagram: https://www.instagram.com/christelvieensemblefoundation/⁡

Facebook: https://www.facebook.com/christelfoundation/⁡

トップ図:「そこが変だよ!犬猫裁判」Youtubeサムネイル 出典:クリステル・ヴィ・アンサンブル財団




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