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.国際  投稿日:2015/3/24

【海外に出てコミュニケーションを取ろう!】~新・社会人へのメッセージ~


俵かおり(在エチオピアジャーナリスト)

 

4月から社会人になった皆さんへ、私から伝えたいことは2つあります。1つは、人生は18歳や22歳では決まらない、ということ。もう1つは日本の外に出て、外の人たちとコミュニケーションしてもらいたい、ということです。

まず1つ目について。皆さんはこれから社会に出て働き始めるわけですが、日本の場合、労働市場が他国と比べてまだ固定化されているので、一度ある会社や組織に就職したらそこで人生が決まってしまうことが多く、転職も年齢制限があることがほとんどでなかなか思うようにいかない社会です。

けれども、世界が速いスピードで変化しつつあるなか、私は日本も変わっていくと思っています。これまで当然だった終身雇用は緩やかに変化を遂げ、今よりも不安定な社会構造になるかも知れません。これは覚悟をしておいたほうがいいでしょう。けれども、これはまた機会が増える、ということを意味してもいます。

私はこれまで、日本の大学を卒業後に就職した日本の新聞社を駆け出しに、アメリカの通信社、国連と仕事を移り、5回の転職をしています。その時々に「やりたい」と思ったことを追求したら偶然そうなったというだけのことなのですが、日本以外の組織では、就職に年齢制限はなく、その仕事ができるだけの経験や能力があるか、ということで判断されます。(もちろん、60歳近い人と45歳の人と同じ就職の確率があるかというとそれはそうではありませんが)

もし日本もこういう社会になりつつあるとすると、今の就職先だけで今後は決まらない、チャンスはこれからもたくさんあるということです。私の周りの日本人にもやりたいことを追求して、あるいはより高いお給料を求めて、仕事を変わる人たちがたくさんいます。皆さんにもぜひやりたいと思うことを存分にやってもらいたい、そう思います。

2つ目について。日本は世界第3の経済大国です。大国であるこということは、その国にいるだけであらゆるニーズが満たされるということであり、外への関心が薄れる、というのは当然のことです。アメリカ人の多くがパスポートを持っていないように。

けれども、外に出て、外の世界に触れることは重要なことです。なぜか?外に出ることで、外の世界の異なる価値観や文化も理解できるのと同時に、自分の国のこともより分かるようになるのです。先日投稿しましたが、外に出て、外の人たちとコミュニケーションをすることではじめて、日本の平和主義がいかに外の人たちに理解され、評価されているかが分かります。これは、平和主義など高尚なことだけにとどまりません。温泉、食べ物、美しい四季のあること、などなど。日本にいると当然のこととして意識していなかったことを意識するようになり、再評価することができるようになるのです。大切なことは、これにより人生が豊かになるということです。

私は高校留学をしたオーストラリア、大学院に行ったニューヨーク、仕事で暮らしたローマ、エチオピア、と様々な国で生活してきました。その中で多くの国の人たちとコミュニケーションをし、学んだことは数多くあります。目から鱗だったことも、ショックだったことも、大変だったこともたくさんあります。

私たちはますますグローバル化している時代に生きています。グローバル化しているということの意味は、他の国、異なる文化の人々との接触なしでは日本はやっていけない時代を私たちは生きているとことです。

世界は広く、色々な価値観がある-。私は自分の経験から、人生で色々な経験をすることが人生を豊かなものにする、と信じてやみません。そして、様々な経験が人間を柔軟にし、強くする、ということも知りました。

これから始まる皆さんの将来はあらゆる可能性で溢れています。どうぞ、様々な人々、文化に出会い、経験をして豊かな人生を歩んでください。皆さんの新たな人生のスタートに乾杯!


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