[Japan In-depth 編集部]【統一地方選に無所属で臨む】~地方議会改革の鍵は脱・政党~
市議から県議へ、というのは割とよくある話である。が、それが女性となると珍しい、というのがこの国の地方政治の実態だ。
千葉県我孫子市議1期目の水野ゆうき氏が24日、市議を辞職し、来る統一地方選で千葉県議選に無所属で挑戦することを表明した。水野氏は2011年の我孫子市議選に28歳で挑戦、無所属ながら、3位で当選した。
千葉県庁での記者会見で水野氏は出馬の理由として以下の三点を挙げた。
1 今年1月に行われた我孫子市の市長選の投票率が32.52%と過去最低を記録し、市議会議員補欠選挙では無投票となったこと。さらに、4月の県議会議員選挙の立候補者説明会に定数の2名(自民党・民主党)しか出席しておらず、無投票となる可能性が高くなったことなど、地方政治の停滞に危機感を募らせた。
2 我孫子市と千葉県の間で、手賀沼終末処理場に指定廃棄物が運び込まれた際に政党所属の我孫子市選出の当時の両県議の働きに対し疑問に思った。
3 1兆7千億円以上の巨額な予算を千葉県が持っているにも関わらず、それが我孫子市含め基礎自治体にどう還元されているか目に見えないことを懸念する。
又、水野氏は女性が政治に参加しにくい現状を指摘。我孫子市議会は、定数24名中女性は4名。千葉県議会は定数95名中7名と、女性比率は7%台と極めて少ない事は問題だとし、無所属でも、若くても、女性でも政治に入っていけること証明したい、と決意を述べた。
3.11以降、地方自治の在り方が問われてきているが、実態はお寒い限りだ。二元代表制にもかかわらず、国政と同じく政党政治の影響が色濃く出ている。人数の多い会派が幅を利かせ、議会が多様な議論の場となっていないケースが数多くある。
そうした中で、30代の女性が、政党や組織を頼らず無所属で選挙に臨むということに驚きを禁じ得ないが、こうした動きは何も千葉県だけではない。
東京都議会でも無所属議員が会派を作り、独自の動きを見せている。議会がよりオープンに、政党政治に振り回されず、健全な議論の場となるなら、女性だろうと男性だろうと既得権益に縛られない若い議員たちが挑戦すればよいと思う。
政治に関心の薄い無党派層がどう動くのかは注目だ。無所属の若い女性が政党の押す候補に勝つことが出来るのか。私たちは各候補者一人一人のこれまでの活動をネットなどで調べておくことが必要だろう。
2015年はアベノミクスの真価が問われる年である。真剣に地方再生を望むなら、まずは議会改革から着手せねばならない。そのために働いてくれる議員を選ぶのは私達自身なのだ。