[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【政治イベント目白押しの2015年】~政局より経済が波乱含み~
Japan In-depth 編集部(Aya)
(この記事は、2015年1月7日放送のニコ生「2015年政局の行方は!?永田町ウォッチャー山田厚俊氏が今年の政治を占う」の内容を要約して文字化したものです。)
新年第一回目のJIDチャンネルは、政治ジャーナリストの山田厚俊氏を招き7、2015年の政治の展望を占った。実は2015年は重要な政治イベントが目白押しだ。1月には民主党代表選、4月には統一地方選、そして9月には自民党総裁選。
2015年全体の展望について、山田氏は「政局の年ではないが、経済も含めて波乱含みの状況だろう」と指摘、「春までは何事もなく穏やかに進むが、嵐の前の静けさなのかもしれない」と述べた。
まずは7日に告示となった民主党代表選。投開票は18日だ。立候補者は長妻元厚労大臣、細野元幹事長、岡田代表代行の3名。最初に手を挙げたのは43歳の細野氏。「民主党はこのままではいけない」という危機感から立候補を決めたのだろうと山田氏は推測した。これで焦ったのが安住氏や枝野氏などのベテラン勢。比較的若い細野氏が代表になって世代交代となると、ベテラン勢には用済みになってしまうという危機感がある。そこで岡田氏が対立候補として立てられたとの見方を示した。
では、何故長妻氏も立候補したのか。「その原因は民主党の多重構造にある」と山田氏は分析した。旧社会党の流れをくむ左派勢力等からしてみると、細野氏でも岡田氏でも保守のイメージが強すぎる。リベラル保守という軸で自民党と対立していきたいという意見の受け皿として長妻氏を推す一定の勢力もある。「長妻氏は細野氏と岡田氏のどちらの票を食うのか?」という質問に対して、山田氏は「長妻氏が他の人の票を食うほどではないのではないか」予測した。
今回、前原氏は立候補せず、細野氏の推薦人にも入っていないが、山田氏は「細野氏が代表になって前原氏が党の要職に就いた場合、野党連携が加速急速化するだろう」との考えを示した山田氏。小選挙区制は二大政党制を目指して作られたものなので、野党が弱くなってしまうのは政治にとってよいことだとは言えない。民主党の立て直しも大切だが、幅広く野党の力を結集することが大切だ。
番組内のアンケートで、視聴者に代表選の結果を予想してもらうと、細野氏が7割、岡田氏が3割という結果になった。山田氏は「決選投票になった場合は岡田氏が勝つだろう。期待する人という意味では細野氏」と自らの予想を話した予測した。
さらに山田氏は蓮舫氏の立候補断念について、「女性重視というのが民主党の特権だったのに誰も出ないのは残念」と話し、女性を一人でも出すために推薦人を20人集めようという動きにならなかった民主党に問題があると指摘した。
4月には統一地方選。「地方議会では殆ど与党の会派が強く、この現状ががらっと変わるということは考えにくいのでは」という安倍編集長のコメントに対し、山田氏は「そうとは言い切れない」との見方を示した。ここ何回かの国政選挙では、小選挙区だから自民党は勝てたが、圧勝ではなかったというのが山田氏の実感だという。乱立する野党同士でつぶし合いとなり、結果的に与党が勝った選挙区も目立った。地方選になったとき、与党が勝てるのかというと「そんなに甘くない」と山田氏は話した。
地方選挙は地域に密着している大切な選挙だが、投票率は毎回低い。市会議員の顔や名前など知らない人がほとんどだろう。「有権者にとって実は一番遠い政治なのは地元の地方政治なのではないか」と山田氏。「だからこそ地方議員が問題を起こすケースが増えているのではないか」と安倍編集長も指摘した。
一昨年インターネット選挙が解禁になり、去年の衆院選でかなりネットの活用方法が変わってきた。制限もまだまだ多く大きく、効果が出ていないなど批判的な意見もあるが、山田氏は「統一地方選で見える化が進めばいい」と話し、今後の進展に期待していることを示した。
最後に9月に行われる自民党総裁選について。安倍総理大臣がこのままの勢いで勝利するとの見方が強いが、対抗馬として考えられるのは石破氏、谷垣氏、そして河野氏だと山田氏は予測した予想する。アベノミクスの効果で、大企業の社長は景気が良くなったと感じているところが多いが話しているが、中小企業の人たちの景況感懐事情は改善していない。「アベノミクスは今年が勝負の年」と山田氏は話し、経済状況次第では、安倍政権も必ずしも安泰ではないと警鐘を鳴らした。
昨年一年間で暮らしが良くなった人と実感できる人がはあまりいない中で、争点が分かりにくい昨年末の衆院選の投票率は下がった。選挙戦の間、山田氏は、厳しい時代の中で「自分が何とかすればいい」「政治には期待しない」という声を山田氏も良く聞いたという。「それでも自分の子供や孫のことを考えれば、政治に関心を寄せて国作り造りに参加すべきだ」と話し、立候補者をじっくりチェックして政治に参加することが大切だと視聴者に呼びかけた。
(この記事は、ニコ生【Japan In-depthチャンネル】2015年1月7日放送 を要約したもです。録画はこちら
ニコ生【Japan In-depthチャンネル】)
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