無料会員募集中
スポーツ  投稿日:2015/2/27

[瀬尾温知]【リベルタドーレス杯、「死の組」に注目】~サンパウロ、ダヌービオに快勝~


 

瀬尾温知(スポーツライター)

「瀬尾温知のMais um・マイズゥン」(ポルトガル語でOne moreという意味)

執筆記事プロフィール

リベルタドーレス杯2015で「死の組」(Grupo da morte)に入ったサンパウロが25日、ウルグアイのダヌービオをホームに迎えてグループリーグの第2戦を行い、アレッシャンドレ・パットの2ゴールなどで4対0と快勝し、初勝利をあげて勝ち点を3とした。

サンパウロが入るグループ2は、サンパウロ市の宿敵であるコリンチャンス、前年度リベルタ杯を初制覇したアルゼンチンのサンロレンソ、そして、昨季のウルグアイリーグの優勝チーム・ダヌービオと、最も厳しい戦いを強いられる「死の組」となった。

グループリーグは、32チームが4チームずつ8つのグループに分かれ、各チームがそれぞれ6試合を戦い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。

サンパウロは第1戦でコリンチャンスに0対2で敗れており、第2戦はホームゲームなだけに、グループリーグ突破のためには何としても勝利が欲しい試合だった。

試合は、サンパウロが開始4分、左からのセンタリングをFWのパットが鮮やかな右足のボレーでネットを揺らして先制。パットは40分にも頭で2点目を決め、さらにチームは後半に2点を追加して、4対0で快勝した。

試合には勝ったものの、クラブとしては万々歳とはならなかった。それはこの日のモルンビースタジアムの有料入場者数が1万6689人と、リベルタ杯のホーム開催試合では、サンパウロにとってここ23年で最少人数だったからである。

それには3つの原因があげられている。まずは、一日中雨が降り続いたこと。そして、一般入場の一番安い席でR$120(約5000円)とチケットが高額だったこと。ダメ押しは、チケット販売会社が代わり、システム故障があったためにオンラインでの購入で不具合が生じたことだった。

収益では損をしたサンパウロだったが、これで1勝1敗の勝ち点3。連敗スタートのダヌービオは脱落したと考えていいだろう。ともに第1戦に勝利したコリンチャンスとサンロレンソは、まだ1試合しか戦っておらず、暫定ながら3チームが勝ち点3で並んだことになる。「死の組」を突破するのはブラジルの2チームか、それとも前年度のチャンピオンが立ちはだかるのか、グループ2の今後の動向が注目される。

勿論、サンパウロが目指すのはグループリーグ突破だけでなく、10年ぶりの南米制覇になる。その栄冠に辿り着くには、FWパットの活躍が絶対条件になる。ACミランからブラジルに復帰して3シーズン目となる今季は、サンパウロ州選手権ですでに6得点、そしてリベルタ杯でも2得点とゴールを量産している。「個別トレーナーでもある兄とオフに砂上で鍛えた」とGlobo Esporteのインタビューに答えたように、動きに切れがあり、自信を持って試合に臨めているようだ。

サンパウロの次戦の相手はサンロレンソ。3月18日にモルンビースタジアムで行われる。ムリシー・ハマーリョ監督は前年度チャンピオンとの一戦を「グループリーグ突破のための決戦」と位置づけている。

 

 

タグ瀬尾温知

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."