「玉木、元気ないよな」――3G(爺)が斬る野党のふがいなさ
執筆:Japan In-depth 編集部
【本稿のポイント】
・堀田喬氏は国民民主党の玉木雄一郎代表を「元気がない」と評し、候補者擁立の遅れを厳しく批判した。
・宮嶋巌氏は「次の一手がない」と述べ、野党第一党を目指す動きが手詰まりに陥っていると指摘した。
・野党の合流論では二人の見方が分かれ、堀田氏は中道改革連合の解体を説き、宮嶋氏は塊としての存続を見込んだ。
Japan In-depthチャンネルで新シリーズ「爺放談(じじほうだん)」を始めた。出演はフリージャーナリストの堀田喬氏、月刊FACTA編集長の宮嶋巌氏、そして司会は私、Japan In-depth編集長の安倍宏行。三人足して219歳、3G(爺)による遠慮のない政治談義である。番組名は、細川隆元氏らが辛口の政治批評で鳴らした長寿番組『時事放談』にちなんだ。第1回のテーマは高市政権と野党の評価。ところが話は早々に、野党への叱咤に傾いていった。
▼動画はこちら https://www.youtube.com/live/RBttcgZveV4?si=diIjWzCcr6-5LOgu
なぜ「玉木、元気ないよな」なのか
番組の終盤、国民民主党に話が及んだときだった。堀田氏は玉木雄一郎代表について「悪いやつじゃないし、まだ引退する年でもない」と前置きしたうえで、こう漏らした。
「たまき、元気がないよな。本当にね」。
個人で背負った多額の借入を少しずつ返している姿勢は「偉い」と評価する。それでも覇気が見えない、というのだ。宮嶋氏も受けた。
「次の一手がないんだよね」
高市内閣の支持率は7月に入って報道各社の調査で軒並み下落した。にもかかわらず、野党の支持は伸びていない。その不振の理由を、二人はまず党の足元に見た。
候補者を出せない党に、政権は取れるのか
堀田氏の批判は擁立の遅れに向かう。番組で例に挙げたのは、東京都内の二つの市議選だった。
ひとつは、あきる野市議会選挙(7月19日投開票)。定数20の市議選を堀田氏は現地で取材したが、自民党や公明党が議席を得る一方、国民民主党は候補すら立てられなかった。市長選でも、自民・公明が推薦した候補が大差で勝ったという。
もうひとつが、立川市議会選挙(6月21日投開票)である。国民民主党の公認候補は電力総連出身で、東京電力の社員。20年務めた前任者も同じ電力総連の出身だったが、参政党が立てた「普通の人」に票で及ばなかったという。
「オーディナリーピープル(編集部注:普通の人)を、なんでもう一人出せないのかと玉木さんに言った」(堀田氏)
いい人材はすでに自民党や立憲民主党が抱えている。急に降って湧くものではなく、時間をかけて普段から探しておかねばならない――。組合票はいわばベースロード電源、つまり基礎票にすぎず、それ以外の票こそが大事だ。そう言っているのは国民民主党自身ではないか。私もそう口を挟んだ。
地方議員を大きく増やす目標を掲げながら、来年の統一地方選に向けて候補者を満足に立てられていない。堀田氏が突いたのは、その現実である。
政権入りを見送った判断は正しかったのか
昨秋、連立の枠組みは日本維新の会に流れた。堀田氏は当時、玉木氏に「入れ」と伝えたという。与党に入れば党そのものが埋没しかねない。かつての社民党の例を引きながら、その危険は承知のうえで、それでも中に入って得るものがあると考えたからだ。
「踏ん切りができないんだよね」。そう掘田氏は言い切る。
結局、政策の果実は与党の手柄になった。手柄はいらない、政策が実現できればいい――国民民主党はそう説明する。だが、本当にそれでいいのか。政治とは権力闘争ではないのか。私がそう問うと、二人は即座に同意した。政治は生きるか死ぬかなんだから、と。いまや政権は自民党と維新の合意文書を軸に回っており、あのとき決断していれば、という問いだけが残った。
合流すれば受け皿はできるのか
中道改革連合、立憲民主党、公明党の合流協議については、二人の見方が分かれた。
堀田氏は否定的である。公明党の幹部に面と向かって、合流話に力を使うのはやめ、中道改革連合は解体して立憲と公明がそれぞれ立て直すべきだと述べたという。置き去りにされるのは、真面目に地元を回っている地方議員だからである。
一方の宮嶋氏は、中道改革連合は塊として存続すると見る。参議院からは公明党が合流し、立憲民主党からも移る議員が出る。衆議院でも同じ動きが重なれば、相応の規模の会派になるという読みだ。
ただし、そこで掲げられる政策の中身は公明党のものではないか。番組では「大公明党ができる」という言葉も飛び出した。数を足し合わせれば受け皿になるのか。その問いは、秋の協議の行方とともに残された。
叱咤は、期待の裏返しである
二人の言葉は厳しいが、突き放してはいない。堀田氏は玉木氏に「もう一回しっかりしろ」と言う。私自身は、玉木氏の主張がブれているとは思わない。ただ、問題はそう思われてしまうことにある。そう思わせない立ち居振る舞いこそが大事だという点で、三人の見方は一致した。野党が受け皿になれるかどうかは、政権の緊張感に直結する。有権者にとっても、決して他人事ではない。
▼動画はこちら https://www.youtube.com/live/RBttcgZveV4?si=diIjWzCcr6-5LOgu
◆番組で語られたそのほかの論点
・[2:16]〜 高市内閣の支持率をどう見るか
・[5:34]〜 便乗値上げと家計の実感
・[8:09]〜 国会前に集まる若者たちの実像
・[18:26]〜 議員定数削減、比例だけ削ってよいのか
・[34:39]〜 高市政権で「化けた」政治家は誰か
・[36:03]〜 内閣改造、維新にどのポストが渡るか
【よくある質問(FAQ)】
Q. 『時事放談』とはどんな番組か。
A. 政治評論家らが時の政治を論じたTBS系の長寿番組。1957年に始まり、2018年9月30日の放送をもって終了した。
Q. 電力総連とは何か。
A. 全国電力関連産業労働組合総連合の略称。電力会社と関連企業の労働組合による産業別の全国組織で、日本労働組合総連合会(連合)に加盟している。
Q. 「本音解禁」とは何か。
A. Japan In-depthチャンネルのメンバー限定コーナー。本編に続けて配信しており、番組の続きはこちらで視聴できる。
関連リンク
トップ写真:左からフリージャーナリスト堀田喬氏、月刊FACTA編集長宮嶋巌氏、安倍宏行Japan In-depth編集長ⒸJapan In-depth編集部



























