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.経済,ビジネス  投稿日:2015/4/25

[遠藤功治]【急回復マツダが頼る有力部品メーカー】~ “キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 広島県編 1~


遠藤功治(アドバンストリサーチジャパン マネージングディレクター)

「遠藤功治のオートモーティブ・フォーカス」

執筆記事プロフィール

地方創生、地方で活躍する企業のご紹介、第2回は広島県安芸郡のダイキョ―ニシカワです。広島は言わずと知れたマツダの城下町。超円高時、マツダは赤字が続き、何度となく早期退職を実施、無配に転落、株価も100円を割って、どうなることかと思われる時期が続きました。その後、SKYACTIVエンジンを搭載した新型車を次々に投入、円安にも助けられ、今年は過去最高益更新という、劇的な回復を見せています。

そのマツダには広島に系列部品メーカーが多く存在します。トヨタ系やホンダ系とは違い、その殆どは上場していない比較的規模の小さなメーカーです。マツダの収益が低水準で推移していた時は、各社とも、マツダから目の飛び出るような値引き要求を受け、受注量の減少・円高・値引き要求という、3重苦で苦しんで来ました。今回ご紹介するダイキョ―ニシカワもご多分に洩れず、このような歴史を経て生き残ってきた会社です。

実は、マツダの本社は広島市にはありません。広島市の南東隣り、安芸郡府中町にあります(ただ、本社工場の大半は広島市内です)。安芸郡と広島市の境が複雑に入りこんでいるからです。ダイキョ―ニシカワの本社も、マツダ本社から南東に約5Km、広島湾に面した、安芸郡坂町というところにあります。

広島駅からJR呉線(単線です)に乗ると、10分位で向洋というローカルな駅に着きますが、ここにマツダの本社があります。そこから更に2駅、10分ほど行きますと、矢野という駅に着きます。そこからタクシーで約10分、ダイキョ―ニシカワの本社に到着します。本社と言っても、倉庫のような建物の3階にあり、受付も何もありません。周辺は瀬戸内海に面した工業団地で、鉄鋼・化学・部品・運送会社等の工場や倉庫が並びます。

余談ですが、大半の、それも小職のような製造業を主に担当するアナリストにとって、受付も何も無く、本社が大変質素な会社というのは、非常に好感が持てます。余分な固定費を持たず、無駄を徹底的に排除し、筋肉質な真面目な会社、特に地方に多い典型的な優良企業の場合が多いからです。

ただ、ここに至るまでのダイキョ―ニシカワの歴史は苦難の連続でした。実はこの会社、以前はジー・ピー・ダイキョ―と西川化成という別々の会社でした。共にマツダの下請け部品会社でした。それが、バブル時期に不動産などの投資に失敗、その後、マツダの長期低迷期に経営が困難となり、結局、米国の投資会社や広島銀行系のベンチャーキャピタル、マツダなどの出資を受け合併、様々な合理化と新規顧客の開拓などを通して業績が向上、2014年3月に東証1部への上場を果たした、という会社です。

社長はマツダ出身、大株主には、マツダや広島銀行と共に、このベンチャーキャピタルも名を連ねています。マツダの業績回復と共に、当社の収益も回復、今期はマツダと共に過去最高益更新、株価も右肩上がりです。

【進む海外移転、部品メーカーにも試練】~ “キラリと光るダイヤモンドの原石企業” 広島県編 2~ に続く。全2回)

企業情報:ダイキョ―ニシカワ

広島県安芸郡坂町、資本金:43億円、売上高1,267億円、従業員数 4,300人

※トップ画像/ダイキョーニシカワ株式会社HPより引用

タグ遠藤功治

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