キャッチアップ接種、さらに延長! HPVワクチン、まだ間に合う!
Japan In-depth編集部 (浜島和希)
【まとめ】
・HPVワクチンキャッチアップ制度が令和8年3月末まで延長へ。
・令和7年3月末までに1回接種すれば公費で3回接種可能
・必要量のワクチンの供給と制度の周知が求められる
令和6年11月27日に行われた第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会において、HPVワクチンのキャッチアップ接種期間中(令和4年4月1日~令和7年3月31日まで)に少なくとも1回以上接種している者を対象 に最大1年間(令和8年3月末まで)公費接種の期間を延長する方針が提出了承された。厚生労働省は今後、予防接種法の施行令の改正手続きを進め、厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会)の了承を経て、閣議決定される。
前回の記事「HPVワクチンキャッチアップ制度」諦めるのはまだ早い。今からでも間に合う!で、従来の方針では、4価と9価ワクチンは最短4カ月(2価ワクチンは5カ月)で完了することができるため、3回の接種すべてを公費で受けるには、令和6年11月末までに、第一回接種を受ける必要があると紹介した。今回の方針が採用されれば、令和7年3月末までに1回でも接種を受ければ、3回の接種全てを公費で受けることが可能となる。
背景には、キャッチアップ制度により、夏以降HPVワクチンの需要が大幅に増加し、ワクチンが供給不足になったことがある。4価ワクチンと9価ワクチンは出荷制限が行われており、医療機関によっては接種を希望しても受けることが出来ない事態になっていた。
国は、メーカーによる増産や輸入量の増加で在庫を確保するとともに、今回の期間延長で、キャッチアップ接種対象者の接種機会確保に努める。
今後は、駆け込みで接種を希望したものの予約が出来ず諦めている人や、キャッチアップ制度の存在をそもそも知らない人への周知が重要になる。
参考)
第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料
写真)HPVワクチン
出典)Photo by anilakkus/Getty Images