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.政治  投稿日:2015/10/12

[細川珠生]【第三次安倍改造内閣の課題とは】~政治評論家の屋山太郎氏に聞く~


「細川珠生のモーニングトーク」2015年10月10日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)|執筆記事 | プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

政治評論家の屋山太郎氏を迎え、第三次安倍改造内閣について聞いた。先月、無投票で再選され、盤石の状態で10月7日に誕生した第三次安倍内閣。今回の内閣改造について屋山氏は、「これだけ見ると、一億総活躍やGDP600兆円に焦点が当たっているのではないか。」と話した。

他方で、「憲法改正は遠のいたと思う。安保法制だけで、あれだけの批判があって、秘密保護法も治安維持法だというような極端な野党に、まじめな憲法改正といってもわからないと思う。」と述べ、平和安全法案の決議にこぎつけた安倍内閣は憲法改正を無理に進めないのではないかとの見方を示した。

屋山氏は、「国民教育から始めなければいけない。」と述べ、平和安全法案が戦争法案だと言われたことなどに対して、「(日本国民は)国防ということを一切考えていない。黙っている方が安全とか、9条があった方がいいとか、こういうのは国際常識にはない。」と述べた。

憲法改正については、「まじめに憲法の在り方から始めているのに、陰謀だという調子の発想。」と野党を批判し、「安倍さんは安保法案ができて一安心。自分の任期中に(憲法改正が)できるかな、という感じだと思う。」と述べた。細川氏も、「まず国民の中で、憲法に対する教育と理解をやらなくてはいけない。」と同意した。

今回の内閣改造で、加藤勝信氏が一億総活躍担当に任命された。安倍内閣の新たなキーワードとなっている「一億総活躍社会」とは一体どういうことなのか。屋山氏は、「要するに皆が働くような社会になって、(各々の)持ち場で力を発揮すること。」と説明した。

一例として、女性が活躍できる社会を挙げ、「素晴らしい女性が子作りで(仕事を辞め)、保育園に行くようになってまた働くというときに、元の環境ではないところにやるから、そういう人が戻ってこない。」と現状の問題点を指摘した。

昔は女性の深夜勤務が規制されていたため、女性の新聞記者はいなかったが、解禁になって女性が入れるようになった。入社試験で、20人の採用枠のうち、上から15人くらいは女性になったという。しかし、その人数通りに採用すれば、寿退社で数が減ってしまうので、むりやり男性を増やした。「素直な社会の選択であれば、女性はもっと出ていく。素直な選択ができる社会を作っていくことが大切だと思う。」と屋山氏は述べた。女性活躍担当も兼ねている加藤氏への期待が高まる。

未来へ挑む内閣ということで、安倍総理はこれまで積み残してきた課題をクリアしていくことに意欲を見せている。「一つの懸念はコメ。」と屋山氏。先日、大筋合意にこぎつけたTPPの影響がどのように出るかに懸念を示し、国による補助金の支出が必要だという見方を示した。

臨時国会が開かれるのかわからない状態であるが、まだまだ経済、消費税再増税、軽減税率など、課題は山積みだ。第三次改造安倍内閣に期待して注視していきたい。

(この記事は、ラジオ日本「細川珠緒のモーニングトーク」2015年10月10日放送 の内容を要約したものです)

「細川珠生のモーニングトーク」

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