朝鮮半島情勢ー金正恩の真の狙いとはー
.国際  投稿日:2015/11/24

[宮家邦彦]【IS「包囲網」実現に疑問符】~東アジア情勢にも影響~


 宮家邦彦(立命館大学 客員教授/外交政策研究所代表)

「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(11月23日-11月29日)」

執筆記事プロフィールblogWeb

 フランスによる対IS(イスラム国)反撃が始まりつつある。23日、キャメロン英首相がパリでオランド仏大統領と会談、「IS打倒に向けシリア領内での空爆に踏み込みたい考えを表明」と報じられた。更に、仏大統領は24日から米独伊露首脳との一連の会談を予定しているようだ。

一部メディアは「対ISの包囲網づくりを加速」などと報じるが、「悪魔は詳細に宿る」という諺もある。そもそもアサド政権を退陣させるのか否か、シリア・クルドを如何に取り扱うのか、細かく数えればキリがないほど多様なシリア反体制武装勢力のうち、どうやってISだけを包囲するのか・・・・。

「包囲網」実現の可能性が低い理由など幾らでも考え付く。今後もISをめぐる悪いニュースが続くことだけは間違いなかろう。問題はそれだけではない。筆者の関心はむしろ、この進化するテロ集団「IS2.0」との「闘い」の始まりが今後の東アジア情勢に及ぼす影響である。

案の定、ISのお蔭で中国の南シナ海での「力による現状変更」活動に関する国際的関心は思ったほど高まらなかった。トルコでのG20首脳会議やフィリピンでのAPEC首脳会合は経済関係だから仕方ないが、マレーシアでのASEAN関連首脳会議でも状況はあまり変わらなかった。

中国はこれら一連の会議での対中批判をどうにか凌ぎ、面子が潰れることはなかった。ASEAN首脳会議の議長声明は、南シナ海での「軍事プレゼンスの強化や一層の軍事拠点化」につき「複数の首脳の懸念を共有する」としか述べていない。今頃中国はISに感謝していることだろう。

 

〇欧州・ロシア

23日にロシア大統領がイランを訪問し、24日には仏大統領が訪米、26日にはモスクワで露仏首脳会談がある。また、目立たないが25日にはシリア外相が訪露、ロシア外相がトルコを訪問する予定だ。希望的観測だが、シリアについて何らかの妥協が生まれるかどうかを注目したい。

〇東アジア・大洋州

何をしに行くかは知らないが、23日に国連事務総長が訪朝する。25-28日にタイの副首相が訪日する。日本とタイとの関係では20日にマレーシアで首脳会議が開かれたばかり。日本がタイを重視していることを象徴するような訪日なのだろうか。

〇中東・アフリカ

23日にカタル首相が訪仏し、25日にはEUアラブ政治軍事委員会が開かれるが、それ以外にアラブ諸国が動く兆候はない。シリアとイラクでスンニーアラブの過激派が「やりたい放題」というのに、アラブ連盟は一体何をしているのか。動くに動けないアラブ諸国のジレンマは深刻だ。

〇インド亜大陸

インド首相が23-25日の日程でシンガポールを訪問する。

〇アメリカ両大陸

CNN放送はこのところ連日欧州IS関係ニュースばかり報じている。大統領選挙は小休止か、共和党候補者はいつもの通りトランプの失言などがあるものの、来年早々まで大きな動きはないのだろうか。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


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