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.政治,未分類  投稿日:2019/1/24

「安倍政権、改憲に向け国民投票も」政治評論家屋山太郎氏


「細川珠生のモーニングトーク」2018年12月29放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(石田桃子)

【まとめ】

・安倍政権の目標「憲法改正の準備」進まぬ要因は公明党の慎重姿勢。
・森友・加計問題などで、野党が指摘するような政権の落ち度無し。
・日本は、国際関係発展の努力の歴史を引き継ぎ、つないでいくべき。

 

今回の「細川珠生のモーニングトーク」は2018年最後の放送。政治評論家の屋山太郎氏と、政治ジャーナリストの細川珠生が、今年一年の日本政治動向を振り返った。

 

まず細川氏は、安倍晋三首相が2018年9月に自民党総裁三期目という節目を迎えたことに触れつつ、今年一年の安倍政権の動きについて屋山氏の意見を聞いた。

 

屋山氏は「安倍政権の2018年の目標は、憲法改正の準備だった」と述べ、来年の参議院選挙の前に改憲案を国会で議決したい安倍政権の思惑と、改憲を非常に難しくしている世の中の潮流を指摘した。

 

細川氏が、野党の、審議に応じない、あるいは憲法審査会を開かないという強固な反対の態度に言及すると、屋山氏もこれに同意。さらに「憲法改正を推し進める限り野党の支持率が下がらない」状況を指摘し、野党にとって審議拒否は必然的な戦略であることを指摘した。

 

また、自民党改憲案について、公明党の慎重姿勢から、与党による事前協議が行われなかったことを踏まえ、「公明党が国家の基本問題に関する論議を妨げている」として、懸念を示した。

 

細川氏は、今年の通常国会で発覚した政権の不祥事に言及。国民の、政治と行政に対する不信感が高まり、与党が政権の正当性を追及したことが、改憲論議の進展を妨げる大きな要因となったと指摘した。これに対し屋山氏は、森友加計問題に関して、「安倍政権に決定的な落ち度はない」との見方を示した。

 

森友問題については、「籠池氏という詐欺師に騙された」とし、学園側の政治家への働きかけで国有地が売却されたことも、「陳情の世話をするのが議員の仕事」と述べて問題はないとの考えを示した。

 

 

▲©Japan In-depth編集部

加計問題については、「野党は獣医科大学新設の必要性を理解すべき」と述べた。現在、新種の病気の流行も確認される中、特に公務員として働く獣医師は不足して、高い料金設定をする町の獣医師が増えているという。過去半世紀もの間、日本獣医師会の方針に従うばかりで、現状を認識せず、獣医科大学の新設に取り組んでこなかった政府を批判した。

 

野党側は安倍首相と加計氏の交友関係ばかりを糾弾するが、それ以外に非難されるべき点はなく、加計学園が京都産業大に対して審査で優遇されたという指摘についても、安倍政権に落ち度はないとした。

 

細川氏は、森友問題では「公文書改ざん」が、佐川国税庁長官の辞任を伴って大きな問題となったことを指摘し、屋山氏の考えを聞いた。屋山氏は、「文書として残すことが求められる範囲が広すぎる」と述べた。自衛隊日報問題にも触れ、戦地でのメモをすべて残すことが求められたり、要点のみ報告することが許されなかったりという、戦地で役所のような報告書が求められる仕組み自体が間違っていると批判した。

 

安倍首相は、総裁任期3期9年の満了を約3年後に控えている。これを踏まえて、細川氏が安倍政権の今後の動向について聞くと、屋山氏は「改憲をあきらめず、任期内に国民投票を急ぐことも考えられる」と述べた。

 

さらに細川氏は、「米中関係の変化から、中国が国際社会での立ち位置を変える可能性も見える現在、日本も立ち位置を明確にして国際社会を生き抜く力を持たなくてはならない」と述べた。

屋山氏は、聖徳太子の時代に築いた中国との関係、福沢諭吉が唱えた「脱亜入欧」といった、国際関係発展のための置石を認識し、その延長線上で生きることが必要だとした。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年12月29日放送の要約です)

トップ画像:©Japan In-depth編集部

 

 


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