無料会員募集中
.政治  投稿日:2020/7/12

「長期政権のおごり、謙虚に受け止めるべき」自民党岸田文雄政調会長


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年7月4日放送

Japan In-depth 編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・今後のコロナ対策は感染症対策と経済対策を両輪で進める。

・「ポスト・コロナ」に向けてデジタル化推進。

・政府も与党も国民の感覚を謙虚に受け止め、どうあるべきか考えねばならない。

 

今回は衆議院議員自民党政調会長岸田文雄氏をゲストに招いた。コロナにより様相が一変した日本が取り組むべき課題と対策について政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

 

■ 今国会の総括

まずは先月閉会した通常国会について、岸田氏の評価を聞いた。

岸田氏は「全てのエネルギーをコロナ対策に注ぎ込んだ国会だった」と振り返った。国会が閉会した今は「法案で成立させた政策を国民に届けることに政府は全力を注がなければならない」と述べた。

細川氏は、国民の一番の懸念は経済だと指摘した。経済対策は国会でも大きく取り上げられたが、秋の臨時国会など、今後に向けた考えを聞いた。

岸田氏は今までの政策について「生活・事業・雇用を守る、ということで給付金等で現金を手元に届ける、という対策だった」と説明し、「今後は感染症対策と経済対策を車の両輪にして経済を普通の状態に戻し、発展させなければならない」と述べた。具体的には、「接触型の産業」といわれ、特にコロナによる打撃を受けた観光・外食・宿泊業を中心にクーポンを配布する「Go toキャンペーン」などを含めて様々な形で支援する考えを示し、「これまでの対策とは性格を変えなければならない」と述べた。

 

■ 「ポスト・コロナ」に向けて

細川氏は、岸田氏が先月「デジタル田園都市国家構想」を安倍氏に提言したこと、また新型コロナウイルス感染収束後の国家のあり方を議論する政調会長直轄の「新国際秩序創造戦略本部」の立ち上げを取り上げ、これらの動きの核となる考えについて聞いた。

岸田氏は「コロナ対策のなかで、日本がいかにデジタル化に遅れているかを痛感した」と述べた。そして今回をきっかけに「集中から分散」というスローガンのもと、働き方改革も含めたデジタル化を推進し、地方の魅力を生かす社会を作りたいという考えを明らかにした。

さらに、米中対立の深刻化やアメリカでの大規模な感染拡大によって、アメリカの国際的地位が相対的に低下していると述べた。そのなかで、日本の国際的立場も変化を迫られていると主張し、「国の中と外どちらにおいてもコロナ後の新しい時代には大きな変化がやってくる。これを見据えて政治として責任を果たすというのが基本的な方針」だと述べた。

▲写真 ©Japan In-depth編集部

■ 安倍政権への評価

コロナ対策に追われた政府だが、細川氏は「国民は安倍政権の打ち出す政策にかなり厳しい見方をしている」という見方を示した。支持率低下の原因の一つに長期政権の弊害が挙げられる一方、自民党内では3期までとしている自民党総裁任期を4期まで延長しようという「安倍首相の4選」に向けた動きも見られる。安倍政権への評価について岸田氏の意見を聞いた。

岸田氏は「長期政権のおごりについては、謙虚に受け止めなければならない」と述べた。また「安倍首相の4選」については、「また具体的な動きは何もない」としつつ、「政府も与党も、国民の皆さんの感覚を謙虚に受け止めて、どうあるべきか考えなければならない」と述べた。

これを受けて細川氏は「長期政権がそのものが悪いかは分からないが、国民の声に答えられない政権は国民の見方は厳しくなって当然」だとして「国民の感覚を肌で感じて、必要な政策を出して頂きたい」と述べた。

また、岸田氏はコロナウイルスの影響で「なかなか地元に帰れない時期が続いた」と述べ、オンラインで会議・対話を行いつつも「直接対話をすることが大事だと痛感した」と語った。そのうえで「これからは地元に戻りながら国民の皆さんの感覚、思いを敏感に受け止める努力をしたい」と今後に向けた決意を述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年7月4日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."