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.政治  投稿日:2023/12/20

「高岡発ニッポン再興」その120 空き校舎で意見交換会、参加は4人


出町譲(高岡市議会議員・作家)

【まとめ】

旧平米小学校、空き校舎問題の行政の試金石になる。

・意見交換会参加者は、連合自治会・関係団体の役員4人だけ。

・空き校舎については、できるだけ多くの住民が参加して説明会を開くべき。

 

私は高岡市議会議員になってから、地元の空き校舎問題について繰り返し質問しています。地域住民の不安な思いを代弁しているのですが、それだけではありません。旧平米小学校に続いて、次々に空き校舎ができるからです。そのため、旧平米小学校がモデルケースになります。開かれた行政の試金石になるのです。

教育長は私が質問するたびに、地元の皆さんの意見を丁寧に聞くとおっしゃっていました。それでは地元の意見を丁寧に聞いているのでしょうか。「対話の行政」を行っているのでしょうか。

そこで、私は12月定例会で質問しました。これまで、何回住民説明会を開催したのでしょうか。

私はその答弁に驚きました。「住民説明会として平米地区で広く市の方針を説明させていただいたのは、本年5月10日の1回」というのです。

1回だけです。57人に声をかけ、39人が出席したというのです。対象は、連合自治会の幹部や関係団体の役員、単位自治会の幹部などです。「広く説明した住民説明会」といいますが、指名された一部の人だけです。本来の住民説明会はもっとオープンにすべきではないでしょうか。

さらに、住民説明会とは別に、意見交換会を11月28日に1回開いたことも明らかにしました。その際に参加したのは、わずか4人です。連合自治会や関係団体の役員です。

私は12月定例会で教育長に改めて質問しました。「わずか4人の参加で住民の意思を反映したと、認識なさっていますか」。

こんな答弁が返ってきました。

「意見交換会は連合自治会や関係団体の役員を対象に開催している。こうした方々からは、地域住民の方を代表した意見を頂戴していると考えている」。

4人の意見が地域住民を代表した意見というのです。私はさらに質問しました。11月28日の意見交換会について「いつ、だれを対象に集まってもらうよう、呼びかけたのですか」。

こんな答弁が返ってきました。「開催の10日ほど前に連合自治会と相談の上、連合自治会や関係団体の役員にお声かけさせていただいた」。

わずか10日ほどの間隔で、皆さんをお呼びしたのです。それは、あまりに急だと思います。しかも昼間の開催です。多くの人が働いている時間帯です。それでは、そもそも、住民の参加を望んでいないのではないかと疑念が湧きますよ。「住民の意見を代表」というなら、もっと参加しやすく準備すべきだと、私は思います。

私は、小中学校は地域コミュニティの核だと位置づけています。だからこそ、空き校舎については、できるだけ多くの住民が参加して説明会を開くべきだと思っています。一部の人だけで決めるは、住民不在と映ります。やはり、開かれた行政を目指すべきなのです。

トップ写真:旧平米小学校の教室(筆者提供)




この記事を書いた人
出町譲高岡市議会議員・作家

1964年富山県高岡市生まれ。

富山県立高岡高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。


90年時事通信社入社。ニューヨーク特派員などを経て、2001年テレビ朝日入社。経済部で、内閣府や財界などを担当した。その後は、「報道ステーション」や「グッド!モーニング」など報道番組のデスクを務めた。


テレビ朝日に勤務しながら、11年の東日本大震災をきっかけに執筆活動を開始。『清貧と復興 土光敏夫100の言葉』(2011年、文藝春秋)はベストセラーに。


その後も、『母の力 土光敏夫をつくった100の言葉』(2013年、文藝春秋)、『九転十起 事業の鬼・浅野総一郎』(2013年、幻冬舎)、『景気を仕掛けた男 「丸井」創業者・青井忠治』(2015年、幻冬舎)、『日本への遺言 地域再生の神様《豊重哲郎》が起した奇跡』(2017年、幻冬舎)『現場発! ニッポン再興』(2019年、晶文社)などを出版した。


21年1月 故郷高岡の再興を目指して帰郷。

同年7月 高岡市長選に出馬。19,445票の信任を得るも志叶わず。

同年10月 高岡市議会議員選挙に立候補し、候補者29人中2位で当選。8,656票の得票数は、トップ当選の嶋川武秀氏(11,604票)と共に高岡市議会議員選挙の最高得票数を上回った。

出町譲

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