【ファクトチェック】「大雪で飲食店予約「ドタキャン」も 被害1兆6000億円」→ミスリード
【まとめ】
・大雪で飲食店予約「ドタキャン」も 被害1兆6000億円とXにポストされた。
・当該ポストの元記事のタイトルは「年間被害1兆6000億円」となっている。
・当該ポストは、「年間」を省いており、投稿をみる人をミスリードしている。
▫️ 疑義言説
2月8日、X(旧Twitter)以下がポストされた。
明らかに誤解を生むタイトル。 1兆6千億は年間での総額。前回の大雪の日だけではない。 大雪で飲食店予約「ドタキャン」 被害1兆6000億円…法的措置は可能? 「ネガティブな印象がつくので言いにくい」悩む店主、損害防ぐ対策は(ABEMA TIMES) #Yahooニュース
2024年2月11日時点で、2万3千2百件の表示となっており、39いいね!、13回リポストされた。
このポストをファクトチェックする。
本ポストの元となったのは、ABEMAの番組、Abema Prime(2月6日放送)をまとめた以下の記事だと思われる。
https://times.abema.tv/articles/-/10113420
上記記事のタイトルには、「年間被害1兆6000億円」と、元々「年間」の文字が入っている。
また記事中にも、「経産省「No Show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」(2018年)によると、無断キャンセルは予約の約1%に当たり、被害額は年間2000億円。1〜2日前のキャンセルは同約6%に達し、被害額も同1兆6000億円と膨れあがる」とデータの出所が書かれている。
元になった経産省資料は以下。
ファクトチェック対象のXのポストは、元となったABEMAの記事タイトルにある「年間」を省いており、投稿をみた人が、前回の東京などでの雪で発生した無断キャンセルの被害額が1兆6000億円に上ったと勘違いする可能性がある。
■ 判定
以上のことから、本ポストは「ミスリード」と判断する。
【Japan In-depthファクトチェックポリシー】
Japan In-depthは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、ファクトチェックを実施しています。FIJが定めたガイドラインに準拠して、言説の真実性・正確性の評価・判定を行います。政治家、有識者の発言、メディアの報道、ネット上で拡散されている情報など、社会的に影響の大きな言説を対象とします。判定基準は以下の通りです。
トップ写真)渋谷の忠犬ハチ公銅像が雪で覆われる。2024年2月5日 東京都渋谷区
出典)Photo by Takashi Aoyama/Getty Images