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.政治  投稿日:2024/12/18

「与党の新提案なければ協議再開は難しい」国民民主党浜口誠政調会長記者会見


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

編集長が聞く!」

【まとめ】

・ 浜口氏は「年収103万円の壁」引き上げで与党からの新提案がない限り協議再開は困難と発言。 

・ 野党の足並みの乱れで、与党に有利な交渉状況が生まれている。 

・「178万円への引き上げは民意」として政策実現への決意を強調。 

 

自民、公明、国民民主3党による所得税の非課税枠「年収103万円の壁」をめぐり協議が昨日物別れに終わったことを受け、国民民主党の浜口誠政調会長はきょうの会見で、「今日に至っても、与党側の方から私の方には何らアプローチはない」として、「新しい提案がなければ協議の再開というのは難しい」と述べた。

 

また、「ボールは与党の方にあると思っているので、与党がこれ以上できないというのであればそういう判断されたということで受け止めるしかない」としながらも、「与党側から新たな提案等が示されれば、協議を進める可能性は全くゼロではない」と、協議再開に期待感をにじませた。

 

一方、日本維新の会の前原誠司同代表は、2025年度予算案について、「所得制限なしの高校(授業料)無償化を来年4月から実施することが、賛成の必要条件だ」と述べるなど、独自に与党との協議を始めている。野党が一枚岩でないために、与党側は国民民主党の要求を丸呑みしなくてもいいような状況が生まれている。

 

この点について、他の野党との連携をどう考えているのか聞いた。

 

それに対し浜口政調会長は、「与野党問わずしっかり連携できるところは連携しながら政策を実現していく」と述べるにとどめた。そのうえで、「(103万円の壁引き上げは)国民の皆さんの期待や民意だと思っているので、我々はしっかり代弁して、178万に向けてしっかり取り組んでいく」と決意を新たにした。

 

すでに128万円というカードを切った与党に、さらに積み増しを迫る国民民主党だが、残された時間は少ない。今後も神経戦が続くものと思われる。

写真)国民民主党浜口誠政調会長 2024年12月18日 東京・千代田区

ⓒJapan In-depth編集部

 

 

以下、安倍編集長との一問一答

安倍:他の与党との連携というのは、政調会長はどう考えているのか。維新は教育無償化を引っ下げて与党側と協議をしているわけだが、国民民主党単独でどこまで突っ張るのか?予算を人質にするにしても限界があると思うが?

浜口政調会長:我々としては当初から申し上げておりますが、政策ごとに全党、与野党問わず等距離で向き合っていこうと考えている。今でも法案においては、立憲民主党とかあるいは維新の皆さんとも連携できるものは共同提出もしていこうということでの協議もさせていただいておりますので、まさにそれぞれの政策ごとに与野党問わず、野党の皆さんともしっかり連携できるところを連携しながらより政策を実現していく。そのためには幅広い連携を図っていきたいなというふうに思っております。

安倍:この178万円がもし達成できないと投票した国民の失望感は、ものすごく大きいと思う。なので、ぜひここは突破してもらいたいと思っている人は多いと思うが?

 

浜口政調会長:いや。まさにおっしゃるように我々への期待値、これは国民民主党の声ではなくて、国民の皆さんの期待や民意だというふうに思っておりますので、我々はしっかり代弁して、178万に向けてしっかり取り組んでいく政策を実現させていく。そういう思いでこれまでもやってきていますし、これからもそこに軸足を置いて全力で取り組んでいきたいと思っております。

 

以上

トップ写真)国民民主党浜口誠政調会長 2024年12月18日 東京・千代田区

ⓒJapan In-depth編集部




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